令和5年11月11日から20日の10日間、本学部附属練習船かごしま丸は教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、本学大学院連合農学研究科(農林水産学研究科、連合農学研究科)及び愛媛大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました。
大学院連合農学研究科からは「人材養成学生支援セミナーⅡ~洋上セミナー」受講の博士後期課程1年の学生2名(琉球大学所属)、愛媛大学からは沿岸環境科学研究センターの森本昭彦教授と大西秀次郎専門職員及び先端研究・学術推進機構の吉江直樹准教授に引率された大学院理工学研究科博士前期課程1年の学生1名、同後期課程1年の学生1名及び理学部理学科4年生の学生1名が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸乗組員と学部から参加した中村啓彦教授、小針統教授、仁科文子助教及び堤英輔助教の指導と支援のもと、それぞれの学位や卒業研究に必要な標本採取と資料収集を行いました。
実習では、出港後すぐに鹿児島湾口部でTwin-NORPACネットによるプランクトン採集、CTD-CMS及び乱流計(VMP)による海洋観測を行った後、九州西方海域に移動し、12日~16日は 大陸棚域および男女群島付近で前述の機器を用いた採集・観測に加えて、係留系(海底設置型ドップラー潮流計TRBM: Trawl-Resistant Bottom Mount)の回収及び再設置を行い研究に観測データを収集しました。当初予定していた大陸棚域での25時間連続観測は低気圧の接近による天候悪化のために中止を余儀なくされましたが、かごしま丸は計画した4組の係留系(TRBM)全ての回収と再設置を完了して、17日午後に鹿児島に帰港しました。帰港後は、今航海で取得したデータの整理を行うと共に、乗船した研究者によるセミナーが開催されました。
参加した大学院連合農学研究科の学生には「人材養成学生支援セミナーⅡ~洋上セミナー」の単位が付与される予定です。なお、この実習航海には、「外洋域乗船実習」受講の大学院農林水産学研究科の学生3名も混乗して同じ内容の実習を行いました。また、長期乗船中の「航海技術乗船実習Ⅱ」受講の水産学部海技士プログラムの4年生11名も実習の一環で観測作業の支援や船内生活の指導を行いました。