水産学部長 挨拶

初代水産学部長山内清内先生のお言葉に、「海を怖れず、海を愛し、海を拓け」という言葉があります。この言葉の意味は時代とともに変化すると思いますが、現在でも水産学部の目指すべき大切な指針の一つです。西は学部長就任にあたり、「地域の海、南西諸島の海、インド太平洋の海、世界の七つの海」で活躍し貢献できる水産学部づくりが夢です。例えば、地球儀を回しながら日本を取り巻くオホ-ツク海、日本海、東シナ海、太平洋、そして、それ以外の世界中の海を眺めた時に、水産学部の学生や同窓生そして研究者が世界の津々浦々で活躍している様子を感じることが出来たらとても嬉しいと思います。数年前の深夜に、海洋産業で働く友人から突然連絡がありました。その友人は地球儀の反対側の中南米で仕事をしており、地元の漁港に魚を買いに行ったら日本人の若者がいて、話を聞いたら海外研修中の鹿児島大学水産学部の学生さんで、周りの人にその学生さんの事を聞いたら、良い仕事をしてくれていると言われたので、嬉しくなって思わず連絡したとの事でした。学生さんのインタ-ンシップ先や就職先、そして、水産学部の先生方の研究地域や社会貢献地域に関しグロ-カルな議論が日常的にできる水産学部を目指します。

さて、コロナ対応の数年間に学部の諸活動が縮小したのは歪めません。しかしながら、本年度からはアフタ-コロナという事で、感染症対策を継続的に行いながら、原則として対面での活動を活発化する予定です。ほとんどの講義や実習が対面で行われます。練習船での対面教育(乗船実習等)も始まっています。また、学部内外の委員会もその多くを対面で行います。一方、諸事情によりweb対応が必要な場合は、ハイブリッド型(対面とweb併用)の対応といたします。対面での教育・研究活動を行うことにより、学生の人格形成や講義での活発な質疑応答がより円滑に進むものと期待しております。加えて、留学や海外研修等も学生に積極的に推奨します。保護者の方々が心配される大学生の食に関しては、水産学部内の食堂がイノベ-ションキッチンとして生まれ変わります。4月中旬より業務開始で、学生さんや地域住民の方々の食についてサポ-トを行い、食に関し関連業界の方々と協働できる場になることを期待しております。学外の方々の積極的な利用にも期待しております。

さて、水産学部には様々な専門分野の教員や研究者がおります。うなぎや鮎に代表される様な魚類の専門家、養殖の専門家、餌(餌料)の専門家、海の資源を有効に活用した機能性食品の専門家、食品科学の専門家、海洋環境の専門家、水圏生物の専門家、赤潮の専門家、黒潮の専門家、海岸海洋災害の専門家、水産物の流通や経済の専門家等の多様な学問分野の専門家がいます。水産業、海洋産業等でお困りの事があれば、国や自治体、そして、民間企業等からの相談を承ります。受託研究や共同研究等で一緒に答えを探すことも可能です。公益活動としても、様々な教育機関や自治体あるいは民間団体等に啓発教育や技術者教育を行っておりますので、適宜、水産学部にご相談下さい。

今後とも、水産学部の発展のためにご支援をよろしくお願いいたします。

2023年4月吉日
水産学部長 西 隆一郎

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