錦江湾の地形 錦江湾の地形は、日本の他の湾と比べてとても特殊です。錦江湾の大きさは南北が約70km、東西が約20kmで、南端に湾口があります。桜島の北側と南側は、それぞれすり鉢のようにくぼんだ海底地形になっており、水深が200mを越える所があります。地形の特徴から、北側のすり鉢は北海盆、南側のすり鉢は南海盆と呼ばれることがあります。桜島フェリーが行き交う桜島水道はちょうど北海盆と南海盆の境目にあたり、その水深は約30mです。湾口は南海盆の南縁にあり、その水深は約70mです。北海盆・南海盆の深さに比べて桜島水道と湾口の水深はとても浅いのです。 錦江湾に流入する水と錦江湾から流出する水 錦江湾に流入する水のことを考えてみましょう。まず、湾口から流入する外洋域の海水。それから、天降川や甲突川などの河川水、錦江湾に降る雨水などです。河川水と雨水は塩分を含まない淡水で、その量は冬よりも夏の方が多くなります。ではつぎに、錦江湾から流出する水のことを考えてみましょう。錦江湾から外に出られるのは湾口の1カ所ですから、錦江湾に流入した淡水と湾内の海水が外洋域に流出することになります。 海のなかの季節変化 1リットルの海水には30~35グラムの塩が溶けています。海水の塩分は、おもに異なる塩分をもつ水と混合することで変化します。錦江湾の場合、海水の塩分を低くするのは流入する淡水です。一方、塩分を高くするのは外洋域の海水です。では、錦江湾の海水の塩分は、季節で変化する淡水の量の影響をうけて高くなったり低くなったりするのでしょうか。また、海水の温度も気温と同じように季節に応じて変化するのでしょうか。
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