生物相と環境の関係〜潮間帯から深海まで

鹿児島湾奥に生息するサツマハオリムシー化学合成細菌を体内に共生させる(撮影:古川貴裕)

水圏科学分野 生物多様性研究室(山本智子)

私たちの研究室では、海域の様々な生態系において、生息環境が底生生物(ベントス)相にどのような影響を与えるのかについて調べています。底生生物とは、海底にくっついたり泥に潜ったりして生活している生物のことで、多くは、カニ類や貝類、ゴカイ類などの無脊椎動物です。調査範囲は潮間帯(干潮時に干出する浅いところ)から深海まで、磯や干潟、マングローブ、火山性のガスが噴き出す鹿児島湾奥のたぎりなど、様々な場所で生物相の調査を行っています。海洋生物は、酸素濃度などの水質や海水温といった物理・化学的環境と、餌や捕食者、競争相手といった他の生物との相互作用の元で生活しています。その仕組みを明らかにすることで、海洋生物の多様性を守る助けになると考えています。

海岸の様々な生態系での調査.左上;サンゴ礁,右上;干潟,左下;岩礁帯,右下;マングローブ林
調査で出会える様々な生物

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