フィリピンにおける大規模重油流出事故に関する初期調査団を派遣 (平成18年9月5日)
水産学部は、8月11日にフィリピンのビサヤス諸島ギマラス島沖で発生したタンカー沈没による重油流出事故に対して緊急に初期調査団を派遣するとともに、フィリピン大学ビサヤス校と調査協力に関して協議を開始することにしました。水産学部は、ビサヤス校とは過去9年間にわたり、日本学術振興会(JSPS)の研究資金による拠点大学交流事業を通して、「水圏環境・資源の利用に関する共同研究」を実施してきました。ビサヤス校とは在外事務 所相互提供協定も締結しており、水産学部はフィ大ビサヤス校内に海外連絡事務所を有しています。
今月、本件の初期調査に適した研究者が拠点大学交流事業のために多数訪比しますので、(1)沿岸環境への影響、(2)水産資源への影響、(3)水産業への影響、(4)沿岸村落住民の生活への影響、(5)その他、沿岸陸域の環境、住民の健康への影響などの分野で初期調査を実施します。今回現地で得る情報とビサヤス校との協議をもとに、本年10月中には、本件に関する中長期的な調査協力の方向性を決定することにしています。
鹿児島大学は、「ASEAN + J」をキーワードに、東南アジアを中心とした国際社会への貢献を大学の基本方針の一つとしています。今回の調査団派遣はその一環であり、必要な場合には、本学の農・医・工などの他学部や全国の研究者の参画を広く呼びかける予定です。調査地域では、上記の研究事業を通じて事故以前の科学的調査が行われていることから、今後の調査と蓄積した資料を対比していくことで、国際的にも貴重な資料・教訓を提供できるものと考えます。