かごしま丸が宮崎大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

退船操練

 令和7年11月24日から11月28日の5日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、宮崎大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。 宮崎大学からは深見裕伸教授と西木一生准教授に引率された農学部海洋生物環境学科3年生1名と2年生22名の学生が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸教員・乗組員と学部から参加した水産資源科学分野の三橋廷央准教授の指導を受けました。この実習は、かごしま丸を利用して、外洋域での各種海洋調査及び生物採集の手法を学習することを目的として2011年から継続実施されているものです。

 今年は外洋域の荒天が予想されたため東シナ海陸棚域での着底トロール操業を中止し、海洋観測と湾内での釣り実習に実習内容を変更しました。初日は乗船後、福田隆二首席一等航海士による乗船ガイダンスを受けた後に、学生と教員はコンパスデッキに上がって出港作業を見学しました。その後、ベットメイクと夕食を済ませ18時からは西木准教授による講義「次世代シークエンサー解析の原理と研究への応用」が行われました。

 2日目は午前中に畑辺佳奈子二等航海士と三橋准教授による講義が行われ、学生達は船内職制や船の構造、海洋ゴミの実態やその調査方法について学びました。午後からは海洋観測(CTD、スミスマッキンタイヤ採泥器によるベントス採集)とロープワーク実習、日没後は稚魚ネットによる表層の仔稚魚などの生物を採集し、顕微鏡や目視による標本観察を行いました。

 3日目の午前中は、ニューストンネットを曳網して表層に浮遊するマイクロプラスチックの採集を行いました。この調査は東京海洋大学、九州大学、北海道大学、長崎大学及び本学が連携協力して実施中の環境省事業「漂流マイクロプラスチックを含む漂流・海底ごみの分布実態調査」の一環として毎年継続して行われています。午後からは機関室および甲板外回りの見学と船橋での操舵実習、夕飯終了後は日没後~20時まで釣り実習を行いました。

 4日目は実習で使用したライフジャケットやヘルメットの洗濯を行ったあと、グループ発表の準備に取り掛かりました。学生達は乗船実習中に学んだ内容や興味を持ったことなどを、乗組員への聞き取りや船内にある文献などを利用して資料を作成し、午後から発表を行いました。

 最終日は朝食後すぐに船内清掃を行い、谷山港への入港作業を見学しました。着岸後に学生・教員は幅野船長から下船前の挨拶を受け、帰路につきました。

 本実習に参加した宮崎大学の学生には、同大学の海洋生物探査講座の単位が付与される予定です。この実習航海には、航海技術乗船実習Ⅱ受講の水産学部4年の10名の学生も混乗して実習を行いました。
 

西木准教授による船内講義
ロープワーク実習
ニューストンネットによるマイクロプラスチック採取

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