
2025年5月31日から6月1日の2日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、放送大学と志學館大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。
放送大学からは、鹿児島学習センターの矢羽田文子職員と福成紀代実職員に引率された「鹿児島湾洋上実習」受講の教養学部の学生19名が、志學館大学からは近藤諭教授に引率された「フィールドで学ぶ環境科学」受講の1年生4名、2年生1名、3年生1名、4年生1名が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸乗組員と学部から参加した江幡恵吾准教授の指導を受けました。
「鹿児島湾洋上実習」は、かごしま丸を利用した洋上実習を主体とする現場学習型の科目で、放送大学鹿児島学習センターの全国開放型の面接授業として2013年度に新設開講されたもので、今年度も全国各地の学習センターに所属する20代~70代までの幅広い年齢層の学生が受講しました。志學館大学の「フィールドで学ぶ環境科学」は、2016年度に教養科目として新設開講され、2021年度には、持続可能な社会を創造する担い手の育成を目的として開設された「持続可能な開発のための教育(ESD: Education for Sustainable Development)プログラム」の構成科目の1つにもなっています。
初日は乗船後すぐに福田隆二主席一等航海士による乗船実習ガイダンスおよび非常時における退船操練が行われました。その後、学生食堂にて受講者および教員の自己紹介を行ってから昼食をとりました。午後からは、畑辺佳奈子次席二等航海士から「船体構造及び乗組員職制」、江幡准教授から「海洋環境と水産業」、幅野船長から「魚の獲り方と海の環境問題」についての講義が実施されました。2日目は朝食後に谷山港を離岸し、コンパスデッキから出港作業を見学しました。出港後は鹿児島湾内を航行しながら2班に分かれて機関室の見学と船橋での操舵実習を行いました。水深2000m超の鹿児島湾最深部に到着後は、CTDと多筒採水器による海洋観測、透明度板を使用した海水の透明度観測、スミス・マッキンタイアー採泥器による底質・ベントスの採集と観察、北太平洋標準ネット(NORPACネット)によるプランクトンの採集と観察の実習、ロープワークの体験実習を行いました。15時過ぎに谷山港に入港後、受講者の学生は実習レポートの作成を終えて下船しました。
参加した学生からは、「船の操縦や機関室の見学など、普段見られない場所での貴重な経験ができた」、「実習を通して他大学の学生とも親交を深めることができ、とても楽しい経験になった」といった感想が聞かれました。
本実習に参加した放送大学の学生には、実習レポートに基づいて同大学の「鹿児島湾洋上実習」の単位が、志學館大学の学生には陸上での指導と合わせて同大学の「フィールドで学ぶ環境科学」の単位が、それぞれ付与される予定です。この実習航海は、本学部の航海技術乗船実習Ⅰ受講の4年生10名との混乗で実施しました。


