
2025年5月23日から28日の6日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、日本大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。
日本大学からは小島隆人教授に引率された生物資源科学部海洋生物資源科学科の3年生10名と4年生2名、学部研究生1名が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸乗組員と鹿児島大学水産学部から参加した三橋廷央准教授の指導を受けました。
乗船後は、福田隆二首席一等航海士による乗船ガイダンスおよび退船操練の指導を受けた後、ベッドメイクを行い乗船生活の準備を整えました。当初の予定では出港後すぐに漁場に向け航行予定でしたが荒天が予想された為、13時に離岸後すぐに錨泊待機に入りました。予定の変更を受けて午後からは、救命器具の一つであるイマージョンスーツの着用体験を行いました。学生は甲板上に設置した小型プールに入り、スーツを着用することで浮力、水密性、保温性が確保されることを体験しました。
2日目は午前中に畑辺佳奈子二等航海士から「船内職制および航海当直実習」、三橋准教授から「着底トロール操業実習」についての講義を受けました。午後は抜錨作業を見学後、2班に分かれて船橋での操船実習と機関室の見学を実施しました。3日目の漁場到着後はCTDによる海洋観測実習を行った後1回目の着底トロール操業と漁獲物の選別・測定実習を行いました。4日目は午前と午後にそれぞれ1回ずつ同様の実習を実施し、午後の操業終了後は現場の跡片付けを行いながら鹿児島湾に向け航行を開始しました。
帰路ではトロールの漁獲物処理(捌き方実習)と甲板上でロープワーク実習、操業で各々使用したカッパやヘルメットの洗濯を行いました。谷山港に入港後は捌いた漁獲物を原材料にすり身を製造し、ホットプレートで焼いて試食をするという体験しました。
操業、漁獲物処理、調理実習という工程を経て魚の生産過程から消費までの流れを全て体験でき、参加した教員および学生にも満足していただけた様子でした。日本大学の学生には、同大学の海洋生物資源科学実習の単位が付与される予定です。
なお、この実習航海は、本学部科目「亜熱帯域水産調査実習」受講の水産学部3年生6名と「航海技術乗船実習Ⅰ」受講の4年生10名との混乗で実施しました。


