
2025年5月15日から5月17日の3日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、早稲田大学及び本学法文学部の学生を対象とした乗船実習を実施しました。毎年この実習には両大学から多くの学生が乗船しており、今年度も参加希望者が受入れ可能人数を上回ったため、同等同質の実習を2回連続して実施することになりました。
早稲田大学からは箱井崇史教授に引率された法学部3年生の11名と大学院法学研究科博士課程2年生の1名、本学からは法文学部法経社会学科法学コースの3年生7名が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸教員・乗組員の指導を受けました。この実習は、箱井教授と本学法文学部の松田忠大教授により両大学の共同演習「海商法セミナー」として企画され、2014年から継続実施されてきました。海上物品輸送という商行為について定めた法律である海商法(商法第三編)の法解釈や船舶衝突により生じた賠償責任等の裁判例に現れた事案の理解をする上で重要な、大型船舶の構造・設備、運航実務及び海上交通法規をかごしま丸での洋上実習を通して学習することを目的としています。
初日は谷山港停泊中の船内で、福田隆二主席一等航海士による乗船実習ガイダンスと退船操練を行いました。午後からは、牧野一等航海士及び畑辺佳奈子二等航海士から「海上交通法規(海上衝突予防法、海上交通安全法、港則法)」、「船の職制・船体構造等の概要」についての講義を受けました。夕食後は箱井教授による船内セミナー「海商法の全面改正-その概略および船舶衝突規定の改正」が行われました。
2日目は午前9時前に谷山港を離岸、出港作業をコンパスデッキから見学しました。見学後は2班に分かれて機関室および甲板外回りの見学と操舵実習、午後からはロープワークと船橋での航海当直実習を行いました。かごしま丸教員の指導の下、双眼鏡による目視や海図での位置確認の方法、レーダや船舶自動識別装置(AIS)等の航海機器による周囲の船舶の動静把握を体験しました。夕方には谷山港沖に投錨し、午後8時までの間は釣り実習を行いました。今回は開始直後から沢山の魚が釣れ、学生達からも大きな歓声が上がっていました。
最終日は船内清掃を済ませてから入港作業を見学、午前9時過ぎに谷山港に着岸・下船しました。2泊3日という短い期間でしたが、船内での共同生活を通して両大学の交流も深めることができ、参加した教員及び学生にとって非常に意義のある実習となった様子でした。
この実習航海は、本学部の航海技術乗船実習Ⅰ受講の4年生10名との混乗で実施しました。


