
令和6年11月25日から11月29日の5日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、宮崎大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。
宮崎大学からは林康弘准教授と宮西弘助教に引率された農学部海洋生物環境学科2年生20名の学生が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸教員・乗組員の指導を受けました。この実習は、かごしま丸を利用して、外洋域での各種海洋調査及び生物採集の手法を学習することを目的として2011年から継続実施されているものです。
今年は荒天のため、通年実施している東シナ海陸棚域での着底トロール操業を中止し、海洋観測と湾内での釣り実習に実習内容を変更しました。実習初日は1400に乗船後すぐに谷山港を離岸し、学生と教員はコンパスデッキに上がって出港作業の見学をしました。見学後は学生食堂にて福田主席一等航海士による乗船ガイダンスを受けた後、居室のベットメイクと夕飯の準備を行いました。夕食後は林准教授と宮西助教による講義「海洋生物からの宝探し」、たくさん飼っても小さくならない魚の開発」が行われました。2日目は午前中に退船操練の実施および機関室および船内全体の見学と航海船橋(ブリッジ)での操船実習を行いました。午後は有田洋一二等航海士による講義「国際漁場としての東シナ海および着底トロール漁業」、「着底トロール漁獲生物とその計測・記録方法」が行われ、今回実施予定だった操業についての知識を深めました。講義終了後はCTDとNORPACネットによる海洋観測を行い、観測終了後は谷山港沖に投錨して日没後から午後8時までの間は釣り実習を行いました。3日目の午前中は釣り実習を行いながら交代で釣った魚を捌く実習を行いました。昼食後は抜錨し、湾中央付近でニューストンネット曳網による表層に浮遊するマイクロプラスチックの採集および稚魚ネット曳網による生物採集と標本観察を行いました。ニューストンネットによる調査は東京海洋大学、九州大学、北海道大学、長崎大学及び本学が連携協力して実施中の環境省事業「漂流マイクロプラスチックを含む漂流・海底ごみの分布実態調査」の一環として毎年継続して行われています。4日目は班ごとに実習で学んだ内容からテーマを決めて実習中に得た資料や情報、文献調査の結果をとりまとめ、午後からグループ発表を行いました。
最終日は着岸作業の見学を行いながら谷山港に入港し、船長の挨拶の後下船しました。本実習に参加した宮崎大学の学生には、同大学の海洋生物探査講座の単位が付与される予定です。この実習航海には、航海技術乗船実習Ⅱ受講の水産学部4年の8名の学生も混乗して実習を行いました。


