かごしま丸が放送大学と志學館大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

CTD観測

2024年6月1日から6月2日の2日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、放送大学と志學館大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。

放送大学からは、鹿児島学習センターの髙田愛梨職員と大重弥生職員に引率された「鹿児島湾洋上実習」受講の教養学部の学生16名が、志學館大学からは近藤諭教授に引率された「フィールドで学ぶ環境科学」受講の人間関係学部心理臨床学科の1年生3名、3年生1名が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸乗組員と学部から参加した江幡恵吾准教授の指導を受けました。

「鹿児島湾洋上実習」は、かごしま丸を利用した洋上実習を主体とする現場学習型の科目で、放送大学鹿児島学習センターの全国開放型の面接授業として2013年度に新設開講されたもので、今年度も全国各地の学習センターに所属する20代~70代までの幅広い年齢層の学生が受講しました。志學館大学の「フィールドで学ぶ環境科学」は、2016年度に教養科目として新設開講され、2021年度には、持続可能な社会を創造する担い手の育成を目的として開設された「持続可能な開発のための教育(ESD: Education for Sustainable Development)プログラム」の構成科目の1つにもなっています。

初日は谷山港停泊中の船内で福田隆二主席一等航海士による乗船実習ガイダンスと、退船操練の指導を受けた後、アイスブレークを兼ねて両大学の参加者と担当講師の自己紹介を行いました。午後は、畑辺佳奈子次席二等航海士から「船体構造及び乗組員職制」について、江幡准教授から「海洋環境と水産業」についての講義を受けると共に、夕食後には幅野船長から「魚の獲り方と海の環境問題」についての講義を受けました。2日目は朝食後に谷山港を出港して水深200m超の鹿児島湾最深部の実習海域に向かいました。参加学生は、コンパスデッキから出港作業を見学した後は2班に分かれて機関室の見学と船橋での操舵実習を行いました。実習海域到着後は、CTDと多筒採水器による海洋観測、透明度板を使用した海水の透明度観測、スミス・マッキンタイアー採泥器による底質・ベントスの採集と観察、北太平洋標準ネット(NORPACネット)によるプランクトンの採集と顕微鏡での観察、ロープワークの体験実習を行いました。かごしま丸は、予定したすべての実習を無事故で実施完了し、15時過ぎに谷山港に入港しました。

天候に恵まれたこともあり、参加した学生からは、「色々な種類の海洋観測実習を具体的に体験でき大変おもしろかった。」、「他大学の学生との共同生活は貴重な経験で楽しかった。」といった感想が聞かれました。

参加した放送大学の学生には、実習レポートに基づいて同大学の「鹿児島湾洋上実習」の単位が、志學館大学の学生には陸上での指導と合わせて同大学の「フィールドで学ぶ環境科学」の単位が、それぞれ付与される予定です。この実習航海は、本学部の航海技術乗船実習Ⅰ受講の4年生8名との混乗で実施しました。

 

船内講義 幅野船長
操舵実習
採泥したサンプルの底質・ベントス観察

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