
2024年5月25日から30日の6日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、日本大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。
日本大学からは小島隆人教授に引率された生物資源科学部海洋生物資源科学科の3年生8名と4年生1名が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸乗組員の指導を受けました。
初日は福田隆二首席一等航海士による乗船ガイダンスおよび退船操練を行った後、午前10時に谷山港を離岸して東シナ海の操業海域に向かいました。参加学生は、学生食堂で畑辺佳奈子次席二等航海士から出港作業の概要説明を受けた後、コンパスデッキに移動して出港作業を見学しました。午後は有田洋一二等航海士から「着底トロール操業実習」及び「船舶交通3法」について講義を受けました。2日目は、船橋で操船実習を行いつつ操業海域に向けて航行し、到着後はCTDによる海洋観測実習を行った後1回目の着底トロール操業と漁獲物の選別・測定実習を行いました。3日目は午前と午後にそれぞれ1回ずつ同様の実習を実施しました。荒天のために予定していた4回目の操業を中止し、操業の片付けを行った後に鹿児島湾に向け航行を開始しました。帰路は、機関室の見学時間を設け、機関士の案内で発電機や推進装置、造水装置を見ながらその仕組みや機能について説明を受けました。また、揺れる甲板上でロープワーク実習、乗組員の指導で船の作業でよく使う結び方を学びました。5日目は鹿児島湾内にてニューストンネット曳網によるマイクロプラスチックの採集と観察を行った後、救命器具の一つであるイマージョンスーツの着用体験を行いました。イマ―ジョンスーツを着用した学生は甲板上に設置した小型プールに入り、スーツを着用することで浮力、水密性、保温性が確保されることを体験しました。最終日は、抜錨・入港作業の見学、各居室と生活区画の清掃などを行った後、10時頃に下船して帰途につきました。
日本大学の教員・学生は、操舵体験やトロール操業実習、その漁獲物を原料にしたすり身の製造実習と試食など様々な体験をできたことで大型実習船での実習に大いに満足した様子でした。参加した学生には、後日提出されるレポートに基づいて、同大学の海洋生物資源科学実習の単位が付与される予定です。
この実習航海は、本学部の航海技術乗船実習Ⅰ受講の4年生8名との混乗で実施しました。


