かごしま丸が近畿大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

操舵実習

令和5年10月11日から17日の7日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、近畿大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。

近畿大学からは鳥澤眞介講師に引率された農学部水産学科3年の14名の学生が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸教員・乗組員と学部から参加した安樂和彦教授と三橋廷央准教授の指導を受けました。令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザなどと同じ5類感染症に変更されました。これを受けて、かごしま丸では同感染症の拡大防止対策の一環で実施してきた乗船定員の制限(定員44人を24人に制限)を解除し、昨年度まで2航海に分けて受け入れていた近畿大学の共同利用乗船実習を3年ぶりに全員一緒に実施することが出来ました。

実習では、10月11日に谷山港を出港し、福田主席一等航海士による乗船ガイダンスと退船操練を行った後、東シナ海の操業海域に向かいました。12日はトロール操業の概要と海洋プラスチックゴミとその実態調査について講義を受けた後、実習の一環でニューストンネットを曳網して漂流マイクロプラスチックの採集調査を行いました。この調査は東京海洋大学、九州大学、北海道大学、長崎大学及び本学が連携協力して実施中の環境省事業「漂流マイクロプラスチックを含む漂流・海底ごみの分布実態調査」として2017年から継続実施されているものです。また、航海船橋(ブリッジ)で操船実習とGPSなど航海計器や海図を使用した船位確認等の実習を行いました。13日と14日は東シナ海の陸棚域で着底トロール操業を2回ずつ行い、漁獲生物の選別・計測を行いました。15日は宇治群島周辺で、釣り漁業等におけるサメ類による食害防止方策を検討するための基礎資料の収集を目的として、かごを用いた操業実習を行いました。翌16日は鹿児島港に帰港後、船内で安樂教授の指導でトロール操業資料の分析を行うと共に、鳥澤講師から「水中の可視化(魚および漁具など)」について講義を受けました。

近畿大学の学生からは「乗船中に鹿児島大学水産学部の学生と将来の目標や水産学部ならではの話を語りあう時間はとても楽しく、充実した時間を過ごせた。」、「波に揺られながらの講義や船内生活はとても新鮮だった。近畿大学は外洋で実習可能な大型練習船を保有していないので、東シナ海での海洋観測や漁業実習はすべてが貴重な経験になった。」といった感想が聞かれました。

参加した近畿大学の学生には、同大学の「漁業情報学実習」の単位が付与される予定です。なお、本航海には本学部科目「水産資源科学乗船実習Ⅱ」受講の水産学部4年生8人と3年生7人も混乗して近畿大学と同じ内容の実習を行いました。

 

トロール漁獲物の選別
かご操業実習
近畿大学教員による船内講義

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