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かごしま丸が早稲田大学及び本学法文学部の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

ロープワーク

令和3年12月6日から12月8日の3日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、早稲田大学及び本学法文学部の学生を対象とした乗船実習を実施しました。
早稲田大学からは法学部3年生の8人が、本学法文学部からは松田忠大教授(法文学部長)に引率された法経社会学科3年生の4人が参加し、内山正樹船長以下のかごしま丸教員・乗組員の指導を受けました。この実習は、早稲田大学法学部の箱井崇史教授(法学部長)と松田教授により両大学の共同演習「海商法セミナー」として企画され、2014年から継続実施されているものです。
この実習は、かごしま丸での洋上実習を通して、海上物品輸送という商行為について定めた法律である海商法(商法第三編)の法解釈や船舶衝突により生じた賠償責任等の裁判例に現れた事案の理解をする上で重要な、大型船舶の構造・設備、運航実務及び海上交通法規を学習することを目的としています。初日は、谷山港停泊中のかごしま丸船内で乗船オリエンテーションと退船操練を行った後、三橋次席ニ等航海士から「船体構造及び乗組員職制」について、有田二等航海士から「海上交通法規(海上衝突予防法、海上交通安全法、港則法)」について講義を受けました。夕食後は、松田教授による船内セミナー「船舶衝突による賠償責任Ⅰ」が行われました。2日目は、午前9時に谷山港を出港し、錦江湾を南下しながら、3班に分かれて船内見学、操舵実習、ロープワーク実習を行った後、松田教授による船内セミナー「船舶衝突による賠償責任Ⅱ」が行われました。大隅半島立目埼沖到着後は、目視及びレーダ、船舶自動識別装置(AIS)等の航海機器により、自船周辺の船舶の動静把握を体験しました。日没後は、錦江湾を北上しながら、かごしま丸教員の指導の下で3班に分かれて船橋で航海当直実習を行い、灯火(航海灯)の見え方による他船の進行方向や衝突のおそれの有無の判断、避航方法、灯色や点滅周期による灯台など航路標識の識別、コンパスやレーダで測定した物標の方位や距離に基づく自船の位置決定など大型船の運航実務を体験しました。最終日は、入港作業の見学をした後、9時に谷山港に着岸・下船しました。
今回は、全行程穏やかな天候に恵まれて、予定したすべての実習を無事故で実施できたこともあり、共同セミナーに参加した両大学の教員及び学生は大いに満足したようでした。松田教授は、「かごしま丸での乗船機会を提供頂かない限りは、文系の学生が操船など船舶運航の実際を経験したり、海上交通法規に関する講義を受ける機会は無いので、大変有難く思っている。また、早稲田大学法学部では、この乗船実習を契機として、船会社に就職して自社養成により航海士を目指す学生や造船会社に就職した学生も出てきたと聞いている。」と語っていました。

なお、本実習は当初5月に実施を計画していましたが、全国的な新型コロナウイルスの感染拡大のために本学及び利用大学の感染拡大防止対策の下で実施を延期し、全国的に感染者数が減少した12月上旬に実施したものです。

退船操練
かごしま丸教員による講義
船内セミナー

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