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かごしま丸が宮崎大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

薩摩半島沖での海洋観測

2021年11月26日から12月1日の6日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、宮崎大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。
同大学からは田岡洋介准教授とヘンリク・ウルバンチク准教授に引率された農学部海洋生物環境学科2年生の11人の学生が参加し、内山正樹船長以下のかごしま丸乗組員の指導を受けました。この実習は、かごしま丸を利用して、外洋域での各種海洋調査及び生物採集の手法を学習することを目的として平成23年から継続実施されているものです。実習初日は停泊中の船内で、かごしま丸教員による乗船ガイダンス、「国際漁場東シナ海での着底トロール漁業実習」及び「練習船による漂流・海底ごみ実態調査」の講義と、ウルバンチク准教授による「微生物とその多様性」についての講義が行われました。翌朝、かごしま丸は鹿児島を出港して東シナ海のトロール操業海域に向かいました。その途中、操舵体験、船内見学、ロープワークを行うと共に、薩摩半島沖でのCTDと多筒採水器による海洋観測、ニューストンネット曳網による水表生物と浮遊マイクロプラスチックの採集及び日没後の稚魚ネット曳網による生物採集と標本観察を通して洋上における海洋生物と水圏環境の調査手法を体験しました。3日目は東シナ海の陸棚域で、海底ごみ回収調査を兼ねて2回の着底トロール操業と漁獲物の同定・測定実習を行ない、4日目には洋上で漁獲物処理実習を行った後、指宿市山川に寄港しました。5日目には、三福水産株式会社かつお節工場を見学して、かつお節の原料、加工工程、消費等について詳細な説明を受けました。夕方には、本実習での体験や学習内容から班ごとにテーマを決めて、乗組員への聞き取りや文献調査で入手した資料や情報をまとめてグループ発表を行いました。
今回の実習は全航程穏やかな海況に恵まれ、予定していた実習を無事故で全て実施できたこともあり、参加した宮崎大学の教員・学生は大いに満足したようでした。田岡准教授は、「実習後の学生の表情や話から、かごしま丸での様々な実習や船上での団体生活、鹿児島大学の学生との交流等を通して彼らが非常に良い経験をしたことがうかがえる。コロナ禍の下で、十分な感染防止対策を講じて、宮崎大学の学生を受け入れて実習を実施していただいたことに厚くお礼申し上げる。来年以降も共同利用制度を利用して、この乗船実習を継続できればありがたく思います。」と語っていました。なお、参加した学生には同大学の海洋生物探査講座の単位が付与される予定です。

日出前の洋上でラジオ体操
採取した海水中の海洋性細菌の培養
トロール操業準備

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