HOME 投稿 魚類の興味や好奇心・大胆さの制御因子として、Neu1タンパク質が重要な役割を果たすことを発見

魚類の興味や好奇心・大胆さの制御因子として、Neu1タンパク質が重要な役割を果たすことを発見

鹿児島大学水産学部の塩崎一弘准教授らのグループは、糖鎖分解酵素Neu1の遺伝子を破壊したゼブラフィッシュ(KOゼブラフィッシュ)を作出し、その情動行動について解析しました。その結果、ヒトを含む脊椎動物に共通して存在するNeu1タンパク質が、ゼブラフィッシュの興味や好奇心、大胆さに関与することを発見しました。Neu1タンパク質が機能しないゼブラフィッシュは、異種の魚にも危険を顧みず接近行動を繰り返すこと、さらに通常のゼブラフィッシュが本能的に忌避反応を示す白色水槽に積極的に侵入するなど、大胆な行動を見せることが分かりました。

遺伝子の解析から、このゼブラフィッシュは、不安を感じるストレス内分泌系の働きが低下しており、その結果、周囲の危険に対して不安を感じないため、このような大胆な行動を取っていることが明らかとなりました。さらに脳でのスフィンゴ糖脂質の組成変化やリソソームエキソサイトーシスの増加も認められました。本研究の成果は、脊椎動物の興味探索行動の制御メカニズムの解明や、衝動的な行動を伴うヒトの情動障害の研究などへの応用が期待できます。

本研究成果は、6月29日にScientific Reportsに掲載されました。

本研究の解析に用いたゼブラフィッシュ

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