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かごしま丸が近畿大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

船内講義

令和元年10月11日から17日の7日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、近畿大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。
近畿大学からは鳥澤眞介講師に引率された農学部水産学科の4年生1人と3年生11人の学生が参加し、内山正樹船長以下のかごしま丸教員・乗組員と学部から参加した西隆昭准教授、山中有一准教授の指導を受けました。
この実習は、台風19号の影響による荒天のために、当初計画していた東シナ海での着底トロール操業実習を宇治群島沖での手巻きリールによる釣り実習に変更して実施しました。初日は荒天避難のために指宿市山川に向かい、2日間の寄港後、海況が好転するのを待って宇治群島沖に向かい、釣り実習と漁獲物の同定・測定実習を行いました。また、航海中には、操舵体験と船内見学、ロープワーク、薩摩半島沖でのCTDと多筒採水器による海洋観測及び漂流ごみ目視観測調査の実習を行うと共に、西准教授、山中准教授の指導により、実習で得た漁獲資料及び海洋観測資料の分析を行ないました。また船内では、西准教授、山中准教授及びかごしま丸の三橋次席ニ等航海士から、「かごしま丸トロール網のシンメトリーシステムと船内LAN」、「CTD観測と鹿児島湾の海洋環境」、「日本沖合域のマイクロプラスチックを含む漂流ごみ・海底ごみ実態調査」について講義を受けました。鳥澤講師からは、近畿大学漁業生産システム研究室が取り組んでいる「バイオロギングによる生物行動解析」や「まき網の漁具動態シミュレーション」の研究紹介が行われました。かごしま丸は10月15日~16日は山川に再寄港し、三福水産株式会社かつお節製造工場を見学しました。
参加した近畿大学の教員・学生は、荒天のためにトロール操業実習が中止になったことを残念がっていましたが、釣り実習ではアオダイ(ホタ)やヒメダイなど大型魚も釣れたこともあり、大型練習船による洋上実習に満足したようでした。また、船上での共同生活を通して、両大学の学生間の親交も深まった様子でした。鳥澤講師は、「学生達にとって、かごしま丸での実習は在学中唯一の外洋航海や漁業操業を実体験できる機会であり、陸上キャンパスでの学習では得難い貴重な体験となっている。今後も共同利用制度を利用して、この有意義なフィールド実習を継続実施したい。」と語っていました。参加した近畿大学の学生には、同大学の漁業情報学実習の単位が付与される予定です。
なお、この航海には、本学部の水産資源科学乗船実習I受講の2年生6人、水産資源科学乗船実習Ⅱ受講の3年生2人も混乗して近畿大学の学生と同じ内容の実習を行いました。また、本学大学院農林水産学研究科の大学院資源・計測乗船実習受講の修士課程1年生3人も混乗して実習を行いました。

操舵体験
漂流ごみ目視観測
CTDと多筒採水器による海洋観測
宇治群島沖での釣り実習
かつお節工場見学(指宿市山川)

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