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かごしま丸が放送大学と志學館大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

退船操練

令和元年5月25日から5月26日の2日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、放送大学と志學館大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。
放送大学からは、鹿児島学習センターの住吉文夫所長と職員1人に引率された「鹿児島湾洋上実習」受講の19人が、志學館大学からは近藤諭教授に引率された「フィールドで学ぶ環境科学」受講の人間関係学部の2年生1人と1年生2人及び法学部3年生1人が参加し、内山正樹船長以下のかごしま丸乗組員と学部から参加した山中有一准教授の指導を受けました。「鹿児島湾洋上実習」は、かごしま丸を利用した洋上実習を主体とする現場学習型の科目で、放送大学鹿児島学習センターの全国開放型の面接授業として平成25年度に新設開講されたものです。7年目となる今年は、鹿児島県内はもとより、九州、中国、近畿、中部、関東地方から20代~70代までの幅広い年齢層の学生が参加しました。また、「フィールドで学ぶ環境科学」は、本学の教育関係共同利用施設であるかごしま丸及び農学部附属高隅演習林での現場体験型実習と志學館大学での講義を通じて、環境問題に関する基礎的知識を学習する科目で、平成28年度に同大学の共通教育科目として新設開講されたものです。
初日は、谷山港停泊中のかごしま丸船内で、東隆文首席一等航海士による乗船実習ガイダンスを受けた後、船内見学と退船訓練を行った後、山中准教授と三橋廷央次席二等航海士から「海洋観測とは」、「水産資源評価-どうすれば水中の魚の数がわかるか-」についての講義を受けました。晴天に恵まれた2日目は、午前8時30分に谷山港を出港し、2班に分かれて船内見学と操舵実習を行いながら水深200m超の鹿児島湾中央部の実習海域に向かいました。実習海域では、CTDと多筒採水器及び透明度板による海洋観測、スミス・マッキンタイアー採泥器による底質・ベントスの採集と観察、北太平洋標準ネットによるプランクトンの採集と実体顕微鏡による観察の実習を行うと共に、ロープワークの実習を行いました。かごしま丸は予定したすべての実習を完了した後、実習海域を離れ、予定通り15時過ぎに谷山港に入港しました。この間に参加学生はまとめの講義を受けた後、レポートによる最終試験を受けました。
両大学の受講生にとって大型練習船での洋上実習は初めての体験でしたが、平穏な海況のもとで予定したすべての実習を無事故で実施できたこともあり、参加した両大学の教員と学生は大いに満足したようでした。放送大学の学生からは、「海洋観測を体験し、海の内包する複雑さ、すごさ、豊かさを実感できた。」、「海洋観測は、大変地味な作業の繰り返しでデータや試料を取得し、それを地道に分析するという想像以上に根気と時間とお金がかかる仕事だと感じた。」といった感想が聞かれました。また、志學館大学の近藤教授は、「文科系大学では見聞できない実験装置や器具、また航海士を目指して精進している水産学部の4年生の意識の高さに触れることができ、得難い経験をさせていただいた。」と語っていました。参加した放送大学の学生には、実習レポートに基づいて同大学の「鹿児島湾洋上実習」の単位が、志學館大学の学生には陸上での指導と合わせて同大学の「フィールドで学ぶ環境科学」の単位が、それぞれ付与される予定です。

船内講義
機関室見学
CTDと多筒採水器による海洋観測

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