水産学部とは水産業という食料生産産業を背景に有する学部です。本学部は数少ない水産学部のうち最南端に位置しており、地理的な特性を生かして東南アジアから南太平洋までも視野に入れたグローバルな水産教育を行っています。
入学後は全員が同じ水産学科学生として共通した教育を受けます。自然科学、社会科学、情報処理、外国語(英語)を中心とした「基礎教育」がその中心です。水産学は幅広い、大きな学問分野です。その基礎的部分も1年生の段階で全員が学びます。また大学は就職のための準備期間でもあります。社会人になるための準備も、1年生からすこしずつ進めていきます。現実社会に目を向けた大きな意識改革が求められます。
1年生で学んだ水産学の知識と職業観を基にして、2年次になる際に各自が所属する専門分野を選択します。水圏科学分野、水産資源科学分野、 食品生命科学分野、水産経済学分野、水圏環境保全学分野の5分野から選ぶことができます。将来自分がどのような人材として社会に貢献したいのかをしっかり考えることが大切です。
こうして2年生からは次世代の水産人を育成するために、5分野に分かれて、それぞれの人材養成目標に向けた「専門教育」を行っていきます。自ら学ぶ力や生涯学習能力、グローバル化社会への対応能力等を含む学士力の開発にも重点をおいた教育を行っています。
さらに、学生や就職先からのアンケートなどを行って、教育内容の見直しと改善を常に行っています。学生満足度No.1の学部、水産業界への就職に強い学部、グローバル化に対応できる国際的学部であることが本学部教育の大きな目標です。
その結果、十分な専門知識を備えた水産人として、多くの学生(大学院に進学した学生含め)が水産物流通や加工などの食品産業、漁業・養殖関連技術産業、環境関連産業、公務員などに就職し、水産業の発展に貢献しています。
国際食料資源学特別コースでは、1年次から、水産学部と農学部の両方で教育を受けながら、食料資源に関する知識を習得しつつ、国際的感覚を養えるように語学教育も重要視した教育を受けます。2年次以降、専門性を深めた教育を行い、3年次に研究室に配属されます。4年間で4年次の短期留学を含む「卒業プロジェクト」など、海外研修をカリキュラムに設定しながら、国際社会に貢献できる人材を育成することを目的とします。
水産学部教育の流れ

各分野及びコースの特徴
分野・コース毎に卒業後の進路を見据えた人材育成目標を設定し、目標に即したカリキュラムが形成されています。
- 水圏科学分野(海洋環境科学コースと水圏生物科学コース)
- 水産資源科学分野(資源生産管理学コースと増養殖学コース)
- 食品生命科学分野(水産食品学コースと先進資源利用科学コース)
- 水産経済学分野(水産政策学コースと水産流通学コース)
- 水圏環境保全学分野
教育プログラム
教育プログラムは、水産学部に関わりの深い職業技能や資格の修得を目指すものです。希望者のみ、以下の1つのプログラムに登録でき、手続きや教材面で様々な便宜を受けることができます。
各プログラムの目標
水産学の専門性以外に職業能力を開発したい学生のため、3つの教育プログラムを設置します。希望する学生は、1年終了時にこれらのプログラムに登録します。プログラムはどの学生でも登録できます。
- 水産教員養成プログラム
水産系高等学校教員の養成を目的とします。高等学校教諭一種免許状(水産)と併せて同(理科)、中学生教諭一種免許状(理科)を取得することも可能で、を取得させることにより、水産系に加え理科にも強い教員を養成します。 - 海技士養成プログラム
東京海洋大学海洋科学専攻科に進学し、三級海技士(航海)及び関連資格を取得するために必要な、学士課程段階での教育を行います。 - グローバル人材育成プログラム
グローバル社会で活躍できる人材の育成を目的とし、実用英語科目群や海外研修などを組み合わせ、国際感覚と国際コミュニケーション能力を涵養する教育を行います。
本学部で取得可能な資格
プログラム登録の有無に関わらず、定められた科目を修得することによって以下の資格を得ることができます。ただし、本学部の卒業要件とは異なる科目が含まれます。
| 水産学科 | ・高等学校教諭一種免許状(水産・理科) ・中学校教諭一種免許状(理科) ・食品衛生監視員(任用資格) ・食品衛生管理者(任用資格) ・学芸員(任用資格) ・三級海技士(航海)(受験資格)※ |
| 国際食料資源学特別コース・ 水産学系サブコース |
・高等学校教諭一種免許状(水産) |
※卒業後に東京海洋大学海洋科学専攻科への進学が必要