日本学術振興会

アジア研究教育拠点事業

東南アジア沿岸域の水産資源に対するネガティブインパクト対策に関する研究拠点形成

dost_seal
jsps

鹿児島大学水産学部は、過去10年間、フィリピン大学ヴィサヤス校(以下UPV)との間での拠点大学交流事業を通して、「沿岸海域における水圏環境・資源の利用」に関する共同研究を実施してきました。(学部HP実績参照)この実績を元に、日本学術振興会のアジア研究教育拠点事業に提案した「東南アジア沿岸域の水産資源に対するネガティブインパクト対策に関する研究拠点形成」が採択されました。
本事業では、鹿児島大学水産学部の教育目標が「鹿児島から東南アジア・南太平洋を含む水圏をフィールドとして、水産資源の持続的生産とその合理的利用、水圏環境の保全分野での教育・研究」であることから、UPVをフィリピン側拠点機関として、東南アジア地域の水圏環境に排出される有害化学物質の水産資源や漁場保全に対する影響と対策に関する研究拠点を形成することを目指しています。特に、2006年8月、フィリピンギマラス海域で起きたフィリピン史上最大の石油流出事故(写真)により、石油汚染の漁場環境や水産資源に対する影響評価とその対策に関する研究が緊急課題となったことから、鹿児島大学水産学部とUPVは、石油汚染や有害化学物質汚染を焦点に、「フィリピン沿岸海域をモデルとした、東南アジア沿岸域における水産資源および漁場環境の管理・保全に及ぼすネガティブインパクトの影響と対策に関する研究協力」に取り組んできました。(学部HP実績参照)本事業では、上記課題について東南アジア諸国の研究者を含めた持続的な共同研究、研究交流等を展開し、若手研究者を養成しつつ、上記課題に関する域内全体の世界的水準の研究教育拠点を形成することを目指します。
平成22年度実施計画(PDF)


東南アジア付近の水産資源01
海岸に漂着した重油を麻袋に入れ、海岸を清掃
東南アジア付近の水産資源02
麻袋から漏れ出している重油

拠点大学交流事業

フィリピン大学ヴィサヤス校との拠点大学交流

拠点大学交流事業とは

『拠点大学交流事業』は日本学術振興会(JSPS)がアジア諸国との交流において実施している大型プロジェクトである。JSPSは交流相手国の学術交流機関との合意の上、両国の拠点大学を定めるとともに、両国から多くの協力大学や研究協力者を連携させることにより活発な交流を促進させている。
交流の主となる研究テーマの下に4から5個の研究課題が設定され、これらに関して共同研究、セミナーおよび研究者交流が実施されている。両国の拠点大学には全体の連絡調整をするコーディネーターを置くとともに、研究課題ごとにグループ・リーダが配置され、研究交流・共同研究が具体化されている。

詳細はこちら>> 事業概要(PDF)

事業内容

『フィリピンにおける水産資源および水圏環境の開発、管理、保全に関する研究協力プロジェクト』を標榜し、フィリピン水産業の効果的かつ持続的開発への貢献を目的とし、わが国とフィリピンとの間の国際学術交流を通じて、両国の水産学全般に関する研究を推進し、貢献することを目標として、1.交流事業実行委員の交流、2.個別研究者の交流、3.共同研究、4.情報交換、および5.国際セミナーの開催を事業として展開している。第1項は第2項の一部であるが、日比双方の交流事業実行委員会を構成する委員による合同調整委員会を形成することを目的として設けられた。第2項は将来の研究に向けた現地での要望や研究課題を理解・発見することを目的とした。第3項はこの事業の中心的活動で、交流事業に参加している研究者がチームを形成し、このチームで合意され設定されたフィリピン現場での課題について共同研究を実施することを目的とした。第4項は両国の関係出版物等を交換するものであり、第5項は主に、交流参加研究者の交流成果を取り纏めセミナーでアピールするもので、概ね3年に一度開催することとした。



ギマラス島重油事故への対応

ギマラス島重油事故調査報告

フィリピン大学ヴィサヤス校リエゾン・オフィス

フィリピン大学ヴィサヤス校リエゾン・オフィス

 

Page Top