2024年度 公海域水産乗船実習日記[かごしま丸] 第6話(最終話)



出航式アルバム
乗船実習日記
8/29 8/13 9/6 9/9 9/19 10/1 ]

第6話(最終話)[10/1]
実習終了の記念写真(クリックで拡大)

9月7日にパラオ共和国マラカル港を出港し、那覇港での入国手続きを経て9月19日に約1ヶ月の航海を終えました。あっという間の1ヶ月でした。実習生は本日9月22日、全ての実習を終えかごしま丸を後にしました。

これからの彼らの活躍に期待しています。

今回はマラカル港出港から下船までの様子をお伝えします。


はえ縄漁具整備1
はえ縄漁具整備2
昼は作業夜は天測計算
桜島との再会
入港前の船体清掃
水揚げの様子

 

水産学部2年生 山崎風舞
今回の乗船実習ではマグロはえ縄の操業やパラオへの入港など、普段は決して体験することの無いことを多く経験しました。中でもマグロはえ縄操業では生きたマグロを初めて目の当りにし、その体色の綺麗さに驚きました。カジキが揚がった時の迫力はマグロとは段違いで、とても印象に残っています。この実習がはじまる際、楽しみもあったが、初めての船での共同生活や夏休みがほぼ全て無くなる事など、乗り気ではない部分が多々ありました。しかし、毎日がとても楽しくあっという間に時間が過ぎていき、今思えば短い1ヶ月だったように感じます。この航海で得られた様々な経験や思い出は一生ものであると思います。
水産学部2年生 佐藤駿樹
今日、ついに谷山港へ入港することになり、この乗船実習も残すところあとわずかになりました。最初の頃は、ワッチの4時間がとても変則的な生活リズムで苦に感じていましたが、今ではそれにも慣れて楽しめるようにもなりました。ワッチ中の思い出の中で一番印象に残っているのがパラオの出入港の時でした。パラオ入港時、現地の水先案内人の方が港の外から乗船し、港に入っていくと海の色が一変し、深い青からエメラルド色の海へと一変し、とても感動したのを覚えています。入港前から、港内は基本的に浅く、航路から外れてしまうと座礁してしまうかもしれないとは聞かされていましたが、実際に見てみると船のすぐ横の海の底が見えるほど浅く、驚くとともに、海図や水先案内人の重要性についても学ぶことができました。
水産学部2年生 榎屋晴斗
かごしま丸に乗船してからすでに1ヶ月以上が経過した。この1ヶ月でマグロはえ縄の操業、パラオへの寄港、沖縄への寄港など様々な体験をした。特にパラオでペリリュー島歴史探訪ツアーに参加したときのことを覚えている。ペリリュー島は太平洋戦争の激戦地の一つであり、今も戦争の後が残っている。
なぜこのツアーに参加したのかというと、私の曽祖父が太平洋戦争の際に戦いに行った場所がパラオであり、その戦争の歴史を学ぶ必要があると思ったからである。ペリリュー島ではかつての日本軍やアメリカ軍の戦車、零戦、爆弾などの遺物が数多く残っていた。なんと、遺物は壊さなければ触っていいらしく、兵器の硬さと冷たさを直に感じることができた。錆つき、植物に覆われた戦車や建築物を見ているとまるで終末世界にでも来たような気持になったが、太平洋戦争の出来事は100年以内で起こったことである。至る所に転がっていた日本軍の飯盒や瓶、手術室の跡、アメリカ軍の慰霊碑や砲撃跡などにはテレビやスマホ越しでは感じることのできない生々しさがあった。パラオの海で泳いだり、釣りをしたかったという後悔の気持ちはあったが、大切なことを学ぶことができた。もし、再びパラオに行くことがあれば、思いっきりパラオを楽しんでみたい。
水産学部2年生 斎藤 匠
初めに私は今回の公海域水産乗船実習に参加して本当に良かったと思っています。
私は海技士プログラムでもなく、単位が不足している訳でもなく、ただ面白そうだからという気軽な考えで参加しました。しかし、私のお客様気分な心持は出航初日の時化で大きく変わりました。酔いによる吐き気と、揺れによるストレス、また早朝からの航海当直など辛いものが多くありました。それでも同じ当直メンバー、作業班との他愛のない話や船員さんとのくだらないおしゃべりに救われ、徐々に「やりたくない」から「やってやるか」と自分の中で思えるようになれました。もちろん、まぐろ延縄操業やパラオ寄港など貴重な経験もありましたが、この乗船で得られた友人が私にとって大きな存在だと思います。また私は船乗りという職業を全く知りませんでしたが、この実習によって興味を持ちました。特に出入港時の緊張した空気感の中で各々が役割を果たし、細かく操船する様子は魅力的だと感じました。最後に、長かった1ヶ月ちょっとも終わってしまえばあっという間で、非常に有意義な乗船実習でした。


第5話[9/19]
パラオの楽園ミルキーウェイにてジャンプ!

操業が終了し、3日後にはパラオ共和国のMalakal港へ入港しました。入港初日は水産施設やコーストガードの見学を行い、2日目は水族館の見学後、現地高校生との交流を行い操業で疲れた体を休める間もなくイベントが目白押しでした。3日目、4日目は自由見学で大自然に触れ、歴史に触れ、そしてパラオの文化に触れた2日間となりました。

現在は沖縄那覇港を出港し、鹿児島へ向けて北上中です。今回はパラオ共和国での様子をお伝えします。


操業片付け1
操業片付け2
パラオ高校生との交流
パラオの楽園ミルキーウェイにて
WWⅡ激戦地ペリリュー島にて

パラオ出港
水産学部2年生 坂口貴紀
1ヶ月間の乗船もいよいよ終盤である。出港してすぐ海が荒れ、パラオ出港後は台風の影響により沖縄入港が危ぶまれ、沖縄出港は台風で予定が早まるという天候に大きく左右された航海だった。このような天候のおかげで、海や空の様々な顔を見ることができ、自然の壮大さを知ることができた。遠洋航海の大きな実習の1つであるマグロ延縄では、漁労の過酷さと喜びを学んだ。朝、4時半起きの2時間の投縄、昼過ぎからの5時間の揚げ縄、さらに1%しかマグロが釣れないという厳しさに折れそうになった。しかし、船員さんと友人のやさしさや面白さに励まされ楽しく操業できたと思う。仲間の存在の大きさを学ぶことができた実習であった。パラオに寄港し、現地の人々との交流も行った。パラオではほとんど英語でやり取りをし、パラオの人々の暖かさや自然の素晴らしさに触れることができた。自分の英語力不足を痛感する一方、単語や身振り手振りで意外と通じることを知った。伝えようと頑張ることが大切だと分かった。今回、慣れない環境で初めての体験ばかりであった。この実習を通して、様々な面で1周りも2周りも成長できたと思う。この成長を今後に生かしていきたい。
水産学部2年生 好満知里
人と共同で生活をすること、全てが初めての経験で、また航海当直や操業で不規則な就寝、起床が続き疲れを感じることもありました。ですが、みんなで協力して作業をし、何かを成し遂げることは、毎回達成感があり、とても楽しかったです。朝の総員起こしや旗揚げでは、ブリッジで朝日を見ることができ、とてもきれいでした。授業を通じて学んできた知識を実践できたり、実習を通して初めて知ったりすることが多くありました。実習期間も残り少なくなってきましたが、1つでも多くの事を学び自分のものにして今後、将来に活かせる様にしていきたいです。
水産学部2年生 森下実奏
実習期間中、陸での生活ではあまりできないような経験をすることができました。
特にマグロ延縄は思い出に残る貴重な体験になりました。乗船中、船酔いや風邪など大変なことがたくさんありましたが、多くの人に支えて頂いて乗船期間も残りわずかの所までこれました。残りの実習も有意義なものにするよう仲間と協力して臨みたいと思います。
水産学部2年生 小山容平
8/13、かごしま丸に乗り込み、まず講義があった。内容は天測のやり方や計算方法についてであった。8/20、講義や準備を終え、出港した。出港式には友人や学部長など多くの人が来てくれた。出港してしばらくは時化ており、机の上に置いていたものが倒れてしまっていた。出港後はワッチ等も始まった。ワッチは0~4,4~8、8~0があり、自分は4~8が一番良いと思った。ワッチの他に漁具を作ったり必要な設備の設置などの、はえ縄に向けての準備も始まった。そうしている内に8/26からいよいよはえ縄の操業が始まった。はえ縄の操業は計6回あり、自分たちがするのは3回であった。1,2回目の操業はマグロがたくさんとれた。3,4回目ではバショウカジキ等が獲れた。5,6回目はあまり獲れなかった。その後9/3にパラオに入港した。入港した日の午後にCoast Guard、日本でいうところの海保の見学に行った。そこには技術支援として日本人の方がいらっしゃった。それ以外にも日本財団が提供した船もあった。日本の支援が実際に役立っているところをみて、嬉しかった。2日目は日本の支援で設置されたシャコガイの養殖場を見学した。非常に鮮やかなシャコガイもあった。次にパラオの水族館に行った。午後はパラオの高校生との交流会があった。一番驚いたのは日本人風の名前の高校生が多かった事だ。次の日とその次の日は自由行動ができ、シュノーケリングを楽しんだり、コウモリのスープを食べた。9/7パラオを出港し、日本に向けての航海が始まった。9/15台風により予定より1日遅れて那覇港に寄港した。その日の午後から自由行動でマグロ市場や国際通り、公設市場に行った。非常ににぎわっていた。2日目はかりゆし水族館に行った。かりゆし水族館にいたミーアキャットやナマケモノが可愛かった。その後、鹿児島に向け出港した。様々なことを経験することができ、有意義な実習となった。


第4話[9/9]
静かな朝投縄中

かごしま丸は現在パラオ共和国のマラカル港を出港し沖縄県那覇港に向け北上しています。
この間、マグロ延縄漁具の片付けや、漂流ゴミの観測、天測による船位決定の練習など学生達は日々忙しく活動しています。
今回は前回に引き続きマグロ延縄操業の様子をお伝えします。


揚げ縄がんばるぞー
揚げ縄全景
バショウカジキと一緒に

メバチマグロと一緒に
水産学部2年生 大葉夏映
海上での成績発表を終え、昨日パラオに無事到着しました。8月20日に鹿児島港を出港してから、これまでの14日間は刺激的な毎日でした。太陽が沈んだ直後から行った星の観測は、その中でも忘れられない思い出になりそうです。水平線のすぐ上から星空が広がり、帯のように天の川が輝いていました。乗船中に見た星空は間違いなく人生で一番綺麗な夜の空でした。宇宙にはこんなにも星があるのかと感動しました。
マグロの延縄漁は、船にたくさんの漁具を積み込むところから始まりました。そして船員さんに一から作業や道具について丁寧に教えて頂きました。自分達で準備した仕掛けにマグロやカジキといった魚が掛かっていた時の喜びは忘れられません。まだまだ乗船実習は続きますが、この貴重な時間を無駄にしないよう、一日一日を大切に過ごしたいと思います。
水産学部2年生 秋山 航
出航してから早二週間、6回のまぐろ延縄操業が終りました。まぐろ漁はかなり辛いイメージがあったのですが、実際に一番辛かったのは投縄の為に朝の4時半に起きることでした。操業が始まると14時に縄を上げ、5時に縄を入れるという間に当直を挟み、生活リズムはかなり乱れましたが、思いの外楽でした。作業の大変さよりも普段生きている姿を見ることの難しい魚を見て触れられることの嬉しさの方が大きく、あっという間に時間は過ぎていきました。マグロ類を三種見れただけではなく、深海魚のミズウオや日本であまり獲れないエチオピア、そして今回は甲板上に上げることはできませんでしたが、外洋のサメを三種類見ることができました。残り半分となりましたが、今後も怪我無く頑張っていきたいと思います。
水産学部2年生 倉内天寿
今回初めて長期の乗船実習ということで乗船前は集団生活の事や普段の生活と違うということに不安を感じていました。しかし、いざ船上での生活が始まると、すぐに生活になれることができ、集団生活の上での音についてのマナーや当番をしっかり行う等生活に適合することができ、船の上でしか身に付けることのできない力を身に付けることができているのではないかと思います。
また、まぐろ延縄の操業では操業準備では時間に追われる中で、無事操業に間に合うように準備することができ、操業中は思っていたよりもマグロを漁獲することができたのでよかったです。操業後に食べた獲れたてのマグロの味はとてもおいしく、忘れられません。
これからの乗船期間も気合を入れて頑張りたいです。
水産学部2年生 木下 匠
私が延縄漁の準備、そして操業をしていく上で実感したのは己の体力の不足、そしてロープワークが非常に不得手であることだ。
特にロープワークについては致命的であった。枝縄を作る際には、他の人よりも作るのが遅く、縄の出来もガタガタだった。さらに縄を結ぼうにも縄がうまくロックされないといった始末であった。結局1回目の操業の途中まで縄をうまく作れず、途中からやっと縄を作るコツを習得した。他人よりもロープワークがうまくいかないことに対する苛立ちと下手な縄づくりによって甲板員の皆さんに迷惑をかけたことに対する申し訳なさが操業中ずっと思考のほとんどを占めていた。
体力の不足についても私自身が操業1回でスタミナ不足でフラフラになっていたことに対し、甲板員の方々は6日連続で操業を行い、さらに学生よりも多くのタスクをこなしていたにも関わらず疲れを感じさせない様子だった。
海技士プログラムに所属している者として、そして海技士を志望している者としてロープワークと体力作りは必要である。
下船して春休みに予定されている次の乗船実習までロープワークの練習と体力づくりを積極的に行い、備えたいと思う。

 

第3話[9/6]
朝4時45分投縄準備開始

予定していた6回のマグロ延縄操業もあっという間に終了しました。
初めての作業に戸惑っていた学生たちも、2回目、3回目と回を追うごとに作業に慣れたようです。
マグロ延縄操業ではチームワークが非常に大切になりますが今回の経験が今後の人生にきっと役立つこととなると思います。


夜明け前の投縄作業
揚げ縄頑張るぞー
揚げ縄作業全景

やりましたー
水産学部2年生 山下開矢
今回の乗船実習のメインイベントの1つである延縄漁の操業は、思っていたよりも楽しくてあっという間に終わりました。朝4時に起きて、750本も投縄して4時間かけて揚げても漁獲率は2%前後で漁の厳しさを身に染みて感じました。投縄で一番思い出に残っていることは、大雨の中震えながら餌のイワシを針に付けたことです。最後の方で着た合羽はとても温かくて感動しました。今でも温もりが蘇ります。作業していた時はつらかったけれど、今となってはとてもいい思い出です。揚げ縄で一番思い出に残っていることは、最初にマグロが揚がった時のことです。船に揚げられるマグロ、マグロが飛ばす水飛沫、みんなの歓声一つ一つ鮮明に覚えています。
水揚げされたマグロはその場で〆て捌かれる個体と〆て急速冷凍される個体に分けられていました。揚げ縄後にみんなで食べたマグロは新鮮で生臭さが無く、おいしかったです。
一つ残念だったことは、生きたカジキが揚がった時にログブックを記入していて、生きた姿を見ることができなかったことです。
マグロ・カジキが目の前で揚がる延縄漁を経験できたことは一生の宝物です。このような貴重な体験をさせてくださっている教授や乗組員の方々、両親、その他の方々に感謝して残りの実習も頑張ります。
水産学部2年生 有岡尚紀
鹿児島港を出港して1週間近くたちついに操業の日がやってきた。マグロは1日に4本獲れればいいほうと聞いていたので操業の終わりに1日平均して9本も獲れていたのでとても嬉しかった。マグロが釣れたその日に船員さん達にさばいてもらいビンナガやメバチ、キハダなどいろんなマグロを食べることができ、贅沢な体験をすることができた。操業中は1人ではどうにもならないことも多く、集団生活のありがたさ、楽しさ、しんどさを感じることができた。この体験は一生に残る思い出になると思う。
残りの海上生活も楽しみたい。
水産学部2年生 吉口虎地
出航して操業が終了するまでの約二週間で、遠洋航海実習を行わなければ一生経験することないと思えるほどの経験を数多く体験した。一つ目は天測である。十七世紀ごろに発達した六分儀によって自船の位置を太陽や星の高度から求めるもので、GPSの無い時代ではその天測が自船の場所を正確に知れる唯一の方法であったことに驚いた。
かなり時間や手間のかかる計算が多く実施してみると観測から自船の位置を知るまで、丸一日かかったので、昔の人はこれを正確かつ瞬時に行っていたことを考えると、現代ではGPSを一目見るだけで自船の位置がわかる便利さを痛感した。
二つ目は延縄の操業である。今回行ったものは全長約30キロほどで、実際に行われる漁は100キロから200キロあるもので、何倍もあるものを自分達よりも少ない人数で 行っていることにまた驚かされた。
水産学部2年生 藤田晴大
鹿大水産学部に入学する以前から楽しみにしていたマグロ延縄操業に参加できました。操業は全6回で、最初は少ないと思っていましたが、十分に満足できました。
操業初日は午後から作業班だったため、初日から魚を近くで見ることができました。生きたビンナガやキハダはとても美しく、力強いものでした。船上には揚がりま せんでしたが、ヨシキリザメやクロトガリザメなど、中々見ることができないサメを見られて感動しました。初日はマグロ類が10尾を超える数漁獲され、大漁で終えるこ とができました。その後5日間も当直班でも空き時間は揚げ縄の見学に行き様々な生きた魚を見ることができました。期待していたアカマンボウが掛からなかったことが 心残りですが、仲間と行う作業は大変ながらもとても楽しく、一生の思い出になりました。


第2話[8/29]
海洋ゴミ調査

8月20日に鹿児島を出港し1週間、正午になると太陽を真上に仰ぐ程の所まで南下してきました。
28日現在、マグロ延縄操業の3回目を行っています。出港以来、実習生は航海当直、天体観測、まぐろはえ縄準備など、初めてで慣れない事だらけの経験をしています。
実習生・乗組員一同、事故の無いように気を引き締めて有意義な実習となるよう努めたいと思います。


自由時間の筋トレ
揃って夕食
延縄準備中のスコール
延縄準備中のスコール

 

水産学部2年生 手塚宥太
かごしま丸とかけまして、公海域水産乗船実習を履修しなかった学生と説きます。その心は、どちらも「だいこうかい」をしているでしょう。
船上での大人数の共同生活から始まり、天測を学び、当直で見張り業務を行い8月26日からはマグロの延縄漁を体験しています。何もかもが新鮮で楽しく貴重な日々です。今後も食べる機会がないであろう釣りたてのマグロは自分の知るマグロとかけ離れていて驚きました。ザラザラとした舌触りにゴムのような強い弾力が特徴的でした。
次の大きなイベントはパラオ上陸です。予定で詰まった5日間と聞いているのでワクワクしています。
最後に、まだ実習の折り返しも迎えていないですが、関係者全員の無事を願っています。フィシュだけに。
水産学部2年生 地西遼平
私は今、約1ヶ月半の船上生活に挑んでいます。電波の繋がらない環境での生活をしばらく続けることになるので、割と依存気味だった私からすると、中々にしんどく感じています。操業が始まってからはかなり忙しくて疲れているのもあってそれ程電波が恋しくはありませんが、やはり友達とかと連絡を取れないのはとても寂しいです。
操業は中々の労働で、長時間でヘトヘトになりますが、デカいのが釣れて皆が喜んでいるのを見ると、温かい気持ちになります。あの瞬間がとても好きです。最近は4-8ワッチに起きないといけない苦しみと日々格闘しています。帰ってから、ニュースを見るのがとても楽しみです。
水産学部2年生 山口夏輝
乗船してから15日が経ちました。世間やインターネットと隔絶され、最初は不安も大きかったです。しかし、その分人とのかかわりがあり、話す機会が圧倒的に増えました。協力しながら生活しているため、きっかけも多く打ち解けるのにさほど時間はかからなかったように思います。どうしても班の異なる半数の人たちとは関りが少ないですが、当直後に挨拶しあったり、ボードに伝言が書いてあると共同生活をしている実感がわきます。
また、実際に当直に入ることで、どのようなことをしているのか、どんな人がいるのか、航海士の方々の経歴なども直接聞くことができ、非常に興味深い日々を送れています。
水産学部2年生 三井康平
出発してから早くも一週間が過ぎていよいよ操業が始まりました。枝縄の準備や航海当直等不規則な船の生活でかなり大変だなと感じますが、友達と延縄でマグロが釣れた時に盛り上がったり、作業後にみんなで話したりととても楽しい生活を送れています。私は操業2日目が揚縄で、自分のつかんでいた枝縄にマグロがかかっていて枝縄に重みを感じた感覚が印象に残っています。また、採ってすぐに捌かれたマグロを操業中に味見をしました。身がとてもモチモチしていて今まで食べたことの無い食感でした。まだまだ実習が続くので楽しみです。


第1話[8/13]
乗船ガイダンス

8月13日。前期の試験が終了して休む間もなく、公海域水産乗船実習がスタートしました。
大学生になって初めての長期の集団生活、初めての航海実習、初めてのマグロ延縄実習、初めての外航と、初めて尽くしの実習ですが、乗船して10日あまり経ち船内生活も随分慣れてきたようです。
8月20日に鹿児島大学佐野学長、石川水産学部副学部長より激励のお言葉を頂いた後、鹿児島大学水産学部教職員、その他大勢の方々のお見送りを受けて出港しました。学生たちは盛大なお見送りを受けとても感激していました。
乗船してから1週間ということで船内生活や船の知識も十分でないままの出航となりましたが、慣れない中でマグロ延縄実習に向けて漁具の組み立てを行ったり、航海当直の要領を学んだりと充実した日々を過ごしています。
学生、乗組員ともに健康です。マグロ延縄操業に向け、全員力を合わせて頑張っています。


退船操練
出港式
天測練習

操業準備
出港式 学生代表挨拶 水産学部2年生 黒岩 滉
本日は出港式にお集まりいただき、ありがとうございます。私たちはこれから1ヶ月間の航海へと出発します。
この航海ではマグロ延縄操業の他に航海当直や観測実習、寄港地での見学など様々な実習を行います。普段と異なる生活に不安はありますが同時に非常に楽しみでもあります。
仲間と力を合わせいかなる困難も乗り越えられると強く確信しております。1ヶ月間の実習を終え成長した姿をお見せできるよう精一杯頑張ります。
乗組員の皆様どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、この実習の為にご尽力いただいた全ての方々に深くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。それでは行ってまいります。
乗船後これまでの感想
実習が始まり十日間が過ぎました。互いの顔と名前を覚え、共に天測計算や操業準備、航海当直などを行い仲が深まってまいりました。間もなくはえ縄操業が始まりますが気を引き締めて取りかかりたいと思います。
水産学部2年生 梅村颯人
公海域水産乗船実習がはじまって早くも10日が経ちました。当直の不規則な生活リズムには慣れませんが、船酔いにはすっかり慣れました。
船での生活に染まったなと思う瞬間があるとすれば、ご飯について考えることが増えたことでしょうか。金曜日にカレーがでたときは、「これが例の金曜カレーか…」と少し感動を覚えました。
ワッチ中に換気口から昼ご飯の匂いが漏れてくるので、何がでてくるのか予想したりして楽しんでます。
水産学部2年生 加藤あゆみ
勢いで履修登録した公海域水産乗船実習も今日で11日目、谷山港を出て6日目となりました。
パラオを目指し意気揚々と出航したのも束の間、その日の晩の船酔いには“もう逃げられない”と絶望を感じさせられました。胃の秘めた力によって体内が空っぽになった日もありましたが、今ではすっかり波も落ち着き船内生活を楽しむ余裕が出てきました。毎日多彩で美味しいご飯が食べられる幸せも実感しています。これからパラオ到着までの約1週間は穏やかな波の日が続くそうなので一安心です。
天測の講義では、航海士の方々や友人が丁寧に教えてくださったおかげで何とか答えを導けるようになりました。複雑な計算の答えがあっていた時の嬉しさは忘れられません。天測後の真っ暗な海の中心で見た空からこぼれそうなほどの星と天の川、赤い月には目を奪われました。持っている語彙でうまく表現できないことがとてももどかしく感じます。ワッチ中に見惚れすぎて注意されてしまったので、今後は自由時間にじっくりと堪能したいです。
皆で悩みながら測定し船位を求めた星は、きっと帰ってからも思い出して探してしまうのだろうなと思います。周りを囲う水平線や群青色の海も忘れないでいたいです。
これまでは時化や天測などで回りの人のやさしさに助けられてばかりでした。残りの約1ヶ月間、自分のできることから精一杯行い、助け合いながら楽しんでいきたいです。
水産学部2年生 新里悠桂
私はこの公海域水産乗船実習を通して多くの貴重な経験を得ることができた。
航海中は航海当直と呼ばれる見張りでは、操舵や複数の物標から船の位置を求めるクロスベアリング等の船上でしかできないことを行うことができた。また、水平線が一面を囲む洋上で見る夕焼けや星空は一生の思い出になるだろうと思う。
これから先の実習も延縄操業やパラオの学生との交流等があり非常に楽しみである。

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