出航式アルバム
乗船実習日記[ 8/29 8/13 9/6 9/9 9/19 10/1 ]
第6話(最終話)[10/1] |
9月7日にパラオ共和国マラカル港を出港し、那覇港での入国手続きを経て9月19日に約1ヶ月の航海を終えました。あっという間の1ヶ月でした。実習生は本日9月22日、全ての実習を終えかごしま丸を後にしました。
これからの彼らの活躍に期待しています。
今回はマラカル港出港から下船までの様子をお伝えします。
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水産学部2年生 山崎風舞
今回の乗船実習ではマグロはえ縄の操業やパラオへの入港など、普段は決して体験することの無いことを多く経験しました。中でもマグロはえ縄操業では生きたマグロを初めて目の当りにし、その体色の綺麗さに驚きました。カジキが揚がった時の迫力はマグロとは段違いで、とても印象に残っています。この実習がはじまる際、楽しみもあったが、初めての船での共同生活や夏休みがほぼ全て無くなる事など、乗り気ではない部分が多々ありました。しかし、毎日がとても楽しくあっという間に時間が過ぎていき、今思えば短い1ヶ月だったように感じます。この航海で得られた様々な経験や思い出は一生ものであると思います。 |
水産学部2年生 佐藤駿樹
今日、ついに谷山港へ入港することになり、この乗船実習も残すところあとわずかになりました。最初の頃は、ワッチの4時間がとても変則的な生活リズムで苦に感じていましたが、今ではそれにも慣れて楽しめるようにもなりました。ワッチ中の思い出の中で一番印象に残っているのがパラオの出入港の時でした。パラオ入港時、現地の水先案内人の方が港の外から乗船し、港に入っていくと海の色が一変し、深い青からエメラルド色の海へと一変し、とても感動したのを覚えています。入港前から、港内は基本的に浅く、航路から外れてしまうと座礁してしまうかもしれないとは聞かされていましたが、実際に見てみると船のすぐ横の海の底が見えるほど浅く、驚くとともに、海図や水先案内人の重要性についても学ぶことができました。 |
水産学部2年生 榎屋晴斗
かごしま丸に乗船してからすでに1ヶ月以上が経過した。この1ヶ月でマグロはえ縄の操業、パラオへの寄港、沖縄への寄港など様々な体験をした。特にパラオでペリリュー島歴史探訪ツアーに参加したときのことを覚えている。ペリリュー島は太平洋戦争の激戦地の一つであり、今も戦争の後が残っている。
なぜこのツアーに参加したのかというと、私の曽祖父が太平洋戦争の際に戦いに行った場所がパラオであり、その戦争の歴史を学ぶ必要があると思ったからである。ペリリュー島ではかつての日本軍やアメリカ軍の戦車、零戦、爆弾などの遺物が数多く残っていた。なんと、遺物は壊さなければ触っていいらしく、兵器の硬さと冷たさを直に感じることができた。錆つき、植物に覆われた戦車や建築物を見ているとまるで終末世界にでも来たような気持になったが、太平洋戦争の出来事は100年以内で起こったことである。至る所に転がっていた日本軍の飯盒や瓶、手術室の跡、アメリカ軍の慰霊碑や砲撃跡などにはテレビやスマホ越しでは感じることのできない生々しさがあった。パラオの海で泳いだり、釣りをしたかったという後悔の気持ちはあったが、大切なことを学ぶことができた。もし、再びパラオに行くことがあれば、思いっきりパラオを楽しんでみたい。 |
水産学部2年生 斎藤 匠
初めに私は今回の公海域水産乗船実習に参加して本当に良かったと思っています。
私は海技士プログラムでもなく、単位が不足している訳でもなく、ただ面白そうだからという気軽な考えで参加しました。しかし、私のお客様気分な心持は出航初日の時化で大きく変わりました。酔いによる吐き気と、揺れによるストレス、また早朝からの航海当直など辛いものが多くありました。それでも同じ当直メンバー、作業班との他愛のない話や船員さんとのくだらないおしゃべりに救われ、徐々に「やりたくない」から「やってやるか」と自分の中で思えるようになれました。もちろん、まぐろ延縄操業やパラオ寄港など貴重な経験もありましたが、この乗船で得られた友人が私にとって大きな存在だと思います。また私は船乗りという職業を全く知りませんでしたが、この実習によって興味を持ちました。特に出入港時の緊張した空気感の中で各々が役割を果たし、細かく操船する様子は魅力的だと感じました。最後に、長かった1ヶ月ちょっとも終わってしまえばあっという間で、非常に有意義な乗船実習でした。 |