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かごしま丸が東京海洋大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

EM-APEX Floatの投入作業

令和5年6月10日から17日の8日間、本学部附属練習船かごしま丸は教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、東京海洋大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました。

東京海洋大学からは、長井健容准教授に引率された大学院海洋科学技術研究科博士後期課程1年(応用環境システム学専攻)の学生1名(ペルーからの留学生)と同研究科博士前期課程(海洋資源環境学専攻)2年の学生1名及び1年の学生1名(同国からの留学生)が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸乗組員と学部から参加した中村啓彦教授、仁科文子助教、堤英輔助教及び余席利用で乗船した小針統教授の指導を受けました。

この乗船実習は、米国ワシントン大学と本学との共同研究契約に基づき、トカラ海峡周辺の黒潮における海洋混合過程、栄養塩輸送および生態系の基本構造を理解するための観測を主な目的として実施されました。ワシントン大学からは応用力学研究所のRen-Chieh Lien主席研究員、Eric Kunze上席研究員(North West Research Associates)、高橋杏博士(東京大学大気海洋研究所特任研究員)及びAvery Snyder技官(Ocean Tech Connection)が余席を利用して参加しました。

実習では、屋久島南西のトカラ海峡の平瀬周辺の観測海域で、CTDや電磁流速計などのセンサーを搭載した自律型漂流フロートEM-APEX Float(ワシントン大学所有)の繰り返し投入・回収による観測、黒潮の流れを横断するように設定された測線上及び測線間でのCTD-CMS、ADCP、自由落下式乱流計(UVMP)及び紫外線を用いて植物プランクトンの増殖に必要な硝酸塩濃度を測定するSUNAセンサーを装着した自由落下曳航式生物化学プロファイラー(SUANDAYODA)等を用いて海洋観測を行いました。東京海洋大学の学生は船尾に装着した自由落下曳航式乱流計(UVMP)を用いて観測を行い、それぞれの博士及び修士学位研究に必要なデータの収集を行うと共に各種の観測に参加しました。

実習中には、台風接近の影響により観測海域の海況悪化により、投入したEM-APEX Float 2基を回収できないまま観測海域を一旦離脱する出来事がありましたが、後日、天候回復を待ってこれら2基を無事に回収することができました。参加した教員、大学院生及び研究者は、天候による多少の制約を受けたものの、当初の計画通りに観測とデータ収集を終えることが出来たことに満足したようでした。

この航海は、本学科目「海洋観測乗船実習Ⅰ」の一部(第1レグ)に相当し、同科目受講の本学水産学部の11名の学生と航海技術乗船実習Ⅱ受講の水産学部4年の11名の学生も混乗して実習を行いました。

浮上したEM-APEX Floatの探索
EM-APEX Floatの回収作業
船尾に設置したUVMPによる乱流観測

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