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かごしま丸が宮崎大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

トロール操業

令和4年11月30日から12月5日の6日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、宮崎大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。宮崎大学からは深見裕伸教授と内田勝久教授に引率された農学部海洋生物環境学科2年生の13人の学生が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸乗組員の指導を受けました。この実習は、かごしま丸を利用して、外洋域での各種海洋調査及び生物採集の手法を学習することを目的として2011年から継続実施されているものです。

実習初日は停泊中の船内で、福田隆二主席一等航海士と有田洋一二等航海士による乗船ガイダンスの後、三橋廷央次席二等航海士から「国際漁場としての東シナ海」、「着底トロール漁業」について、深見教授から「深海のサンゴ」についての講義を受けました。2日目は、10時に東シナ海の操業海域に向けて出港し、鹿児島湾を航行しながらブリッジ見学及び操舵実習を行い、午後は薩摩半島沖でのCTDと多筒採水器による海洋観測、海水透明度測定及び機関室見学を行いました。日没後は稚魚ネット曳網による生物採集と標本観察等の実習を行いました。3日目は東シナ海の陸棚域で、海底堆積ごみ回収調査を兼ねて、着底トロール操業2回を実施し、漁獲生物の同定・計量及び体長測定を行ないました。復路では、三橋次席二等航海士から「日本沖合海域におけるニューストンネット曳網による浮遊マイクロプラスチック分布調査」についての講義を受けた後、実際にニューストンネットを曳網し、採集された水表生物(ニューストン)やマイクロプラスチックの観察を行いました。参加学生は、これらの実習を通じて、大型船舶を使った洋上における海洋生物と水圏環境の調査手法を学習しました。かごしま丸は12月3日に枕崎に寄港しました。翌4日、枕崎を出港後、参加学生は2班に分かれて、実習で学んだ内容からテーマを決めて、収集した資料や情報、文献調査の結果をとりまとめて発表を行いました。

今回の実習は、後半に風浪が強くなったものの、予定していた実習を無事故で全て実施できたこともあり、参加した宮崎大学の教員・学生は大いに満足したようでした。深見教授は、「この乗船実習は、学生の満足度が高く、船のことから生き物まで多くのことを学べる非常に良い機会となっている。今後も共同利用制度を使って、この実習を継続実施していきたい。」と語っていました。なお、参加した学生には同大学の海洋生物探査講座の単位が付与される予定です。

この航海には、航海技術乗船実習Ⅱ受講の水産学部4年の9人の学生も混乗して航海・運用実習を行うと共に、共同利用大学の実習及び船上生活を支援しました。

なお、着底トロールによる海底堆積ごみ回収調査とニューストンネットによる浮遊マイクロプラスチックの採集は、4大学の練習船(北海道大学おしょろ丸、東京海洋大学海鷹丸・神鷹丸、長崎大学長崎丸、かごしま丸)が連携・協力して実施する環境省事業「日本沖合海域における漂流マイクロプラスチックを含む漂流・海底ごみの分布実態調査」の一部として実施しました。

宮崎大学教員による講義
CTD観測
海水透明度測定

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