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かごしま丸が早稲田大学及び本学法文学部の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

かごしま丸教員による講義

令和4年6月13日から15日の3日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、早稲田大学及び本学法文学部の学生を対象とした乗船実習を実施しました。

早稲田大学からは法学部3年の7人の学生が、本学法文学部からは松田忠大教授に引率された法経社会学科3年の4人と人文社会科学研究科博士前期課程1年の1人の学生が参加し、幅野明正船長以下のかごしま丸教員・乗組員の指導を受けました。この実習は、早稲田大学法学部の箱井崇史教授と松田教授により両大学の共同演習「海商法セミナー」として企画され、2004年から継続実施されているものです。例年、両大学の学生が多数、参加を希望しますが、現在、新型コロナウイルス対策による定員制限(24人)のために希望者全員を一緒に乗船させることが困難なため、今年度は2回に分けて実施しました。

この実習は、かごしま丸での洋上実習を通して、海上物品輸送という商行為について定めた法律である海商法(商法第三編)の法解釈や船舶衝突により生じた賠償責任等の裁判例に現れた事案の理解をする上で重要な、大型船舶の構造・設備、運航実務及び海上交通法規を学習することを目的としています。実習内容は、5月に実施した1回目と同様、初日に谷山港停泊中のかごしま丸船内で乗船オリエンテーションと退船操練を行った後、三橋次席ニ等航海士から「船体構造及び乗組員職制」について、有田二等航海士から「海上交通法規(海上衝突予防法、海上交通安全法、港則法)」について講義を受けました。夕食後は、松田教授による船内セミナー「船舶衝突による賠償責任Ⅰ」が行われました。2日目は、午前9時に谷山港を出港し、錦江湾を南下しながら、2班に分かれて船内見学、操舵実習、ロープワーク実習を行った後、松田教授による船内セミナー「船舶衝突による賠償責任Ⅱ」が行われました。薩摩長崎鼻沖到着後は、目視及びレーダ、船舶自動識別装置(AIS)等の航海機器により、周辺の船舶の動静把握を体験しました。日没後は、錦江湾を北上しながら、かごしま丸教員の指導の下で3班に分かれて船橋で航海当直実習を行い、灯火(航海灯)の見え方による他船の進行方向や衝突のおそれの有無の判断、避航方法、灯色や点滅周期による灯台など航路標識の識別、レーダ等の航海計器を用いた自船の位置決定など大型船の運航実務を体験しました。最終日は、予定通り9時に谷山港に着岸・下船しました。

今回は、雨のために船外活動が制限されましたが、すべての実習を無事故で実施できたこともあり、共同セミナーに参加した両大学の教員及び学生は大いに満足したようでした。松田教授は、「この実習は、船長をはじめ乗組員の皆さんのご協力により、一般の文系学生が体験できない航海当直など船舶運航の実務体験や、船体構造や海上交通法規に関する講義を受けることができる唯一無二の機会であり、大変有難く思っている。今後も共同利用制度を利用して、早稲田大学との乗船実習を継続実施させていただきたい。」と語っていました。

退船操練
松田教授による共同セミナー
食事風景

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