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水産学部とは?

水産学部は、鹿児島から東南アジア・南太平洋という広い地域の海や川を活動の場としています。そこでは、マグロやエビなどの水産資源が無くならないようにきちんと管理しながら漁獲すること、それらの資源を大切で美味しい食料として無駄なく利用すること、それらの資源がいつまでもなくならないように生まれ育つ環境を守ること、に取り組んでいます。そのような教育や研究を通じて、世界のどこでも活躍することができて、人類の将来に貢献することができるような、優れた水産技術者を育成しています。

【水産学部の教育の仕組みと5つの分野】

水産学科では、水圏科学、水産資源科学、食品生命科学の三領域で、第二、第三志望を認めて入学者選抜を行います。三領域のいずれかに入学した学生は、2年生になるときに同名の分野に進むほか、希望と成績により水産経済学分野、水圏環境保全学分野に分属することができます。それぞれの分野の教育が目指す人材像や教育の内容は以下の通りです。
水圏科学分野
(1)人材養成の目標
海洋環境や水圏の生物が持つ特徴と両者の関係について、理論と実践を通して総合的に理解し、海洋環境と水圏生物に関する調査や保全に携わる人材、学校や博物館・水族館等の機関で働き、学んだことを伝える人材を育成します。
(2)教育の内容
1)水圏生物科学コースでは、水圏に生息する動植物について、分類や形態、生理・生態学的特徴や生息環境との関わりを、理論と実技の両方から学びます。また、実験実習を通して、水圏生物の採集と飼育の技術や野外調査の手法を身につけていきます。
2)海洋環境科学コースでは、海洋環境の自然科学的な理解,海洋環境の保全・利用に関わる工学的な応用について教育し、これらを基礎とする幅広い関連分野へ学生を輩出することを目指しています。さらに将来、様々な専門分野に柔軟に対応できる能力を養うため、数学、物理学、情報処理学等の基礎教育に力を入れています。
水産資源科学分野
(1)人材養成の目標
資源の管理や漁獲、増養殖に興味を持ち、それらについての技術を学び、漁業・養殖業界や水産技術に関わる企業や公的機関で活躍できる人を育てます。
(2)教育の内容
1)資源生産管理学コースでは、水圏資源や生産活動に関連するテーマ、特に水産資源の評価と管理、資源生物の生態や行動、生産技術(漁具漁法、養 殖施設)、生産活動の基礎を学習し、水産資源の持続的な利用について学びます。
2)増養殖学コースでは、生産量の増加にともなう飼料価格の高騰や天然種苗の減少、魚病の発生による生産性の低下などの様々な問題を解決するため、飼料の栄養、種苗生産、魚病および免疫の基礎知識を学びます。

食品生命科学分野
(1)人材養成の目標
水産食品学及び先進資源利用科学を総合的に理解できる高い能力を持ち、食品・化学品製造業及び製薬業ならびにそれらの関連分野で業務に携われる人材に必要な専門的知識・技術を修得します。
(2)教育の内容
1)水産食品学コースでは、原料特性を把握した水産物の鮮度保持と加工、ならびに安全・衛生的な品質管理のための知識と実験技術を修得します。
2)先進資源利用科学コースでは、水圏生物資源の有効利用に関して、機能性食品の開発ならびに創薬等の先進的応用展開をめざすための化学的ならびに生物学的な先端知識と先進技術を修得します。

水産経済学分野
(1)人材養成の目標
フードビジネスや食品産業、食育活動などの水産物流通、あるいは水産・養殖経営や資源管理、後継者育成などの水産政策に興味を持ち、それらを実践的に学び、商社や食品加工企業などの食品産業や水産系公的機関で働きたいひとを育てます。
(2)教育の内容
1)水産流通コースでは、水産物の流通構造・加工業の機能や意義・消費の実態と展望、さらにはそれらのグローバルな展開に関する教育を行います。食品関連産業において水産物の価値を正しく評価し、伝達できる人材、食を通じて社会に貢献する意欲のある人材は希少であり、強く求められています。そうした専門的人材を育成するため、就職と深く関連した食品産業や食品流通企業の現場に密着した教育を行い、高い職業観と広い視野、専門的知識の獲得に努めます。
2)水産政策コースでは、日本の水産業について幅広く学びます。特に、水産業を核とした地域の振興、環境問題と資源管理、水産業や水産団体等の経営、水産業に関わる数多くの政策、担い手育成などについて教育を行います。水産業の持続的な発展を公益的かつ多元的な視点から考えられる人材を育成するため、漁村や漁業の現場、行政の現場などと密着した教育を行い、水産業に関する現実的で幅の広い知識の獲得に努めます。

水圏環境保全学分野
(1)人材養成の目標
赤潮、有機汚染、有害化学物質汚染(人為的ネガティブインパクト)、環境保全及び環境修復などについて総合的に学び、環境アセスメントや関連分野及び公的機関の業務に携われるひとを育てます。
(2)教育の内容

  1. 赤潮や環境汚染などのネガティブインパクトを引き起こす要因、問題点、影響、その実態などについて総合的に学びます。
  2. 生物影響に関する知識及び実際の影響評価を行う技術の習得を目指します。
  3. 環境修復に関する知識とその応用の可能性について学びます。
  4. 環境調査法及び栄養塩分析や水質分析に関する基礎的技術の習得を目指します。
  5. 環境微生物(赤潮等)に関する知識及び実際の微生物培養を行う技術の習得を目指します。

なお水産学部には、農学部と連携した国際食料資源学特別コースも設置されています。ここでは東南アジア・南太平洋・アフリカを中心とした国際社会における食料問題を教育や研究の対象としています。こうした地域における食料資源の持続的生産とその合理的利用についての専門知識を修得しているだけではなく、豊かな世界観と倫理観を備えている人材を育てます。さらに、グローバル化する食料ビジネスに積極的に飛び込み、食料問題解決を通じて国際社会に貢献できる人材を育成します。水産系サブコースではこうした目的の下に、水産食料を中心に学んでいきます。

このコースの教育には以下の特徴があります。

  1. 国際的な食料資源問題に関する専門的な知識と豊かな教養を体系的に修得します。
  2. 国際的な食料問題に関わる人材に必要な、高い英語能力や異文化理解力を身につけます。
  3. 国際的な食料問題に関わる人材に必要な、高い社会貢献意識と豊かな思考力を育てます。
  4. 農学系学生と水産学系学生が一緒に学び、総合的、複眼的な視野を身につけます。

詳しくは、国際食料資源学特別コースのホームページをご覧下さい。

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