2012kamarupamphlet
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4安全性と効率的な利用を図った船体設計:上部構造物を小型化し主船体の容積をできるだけ確保することで、十分な広さの作業甲板を確保すると共に耐航性能の優れた船とした。船体にはバルバスバウ及びバトックフロー船型を採用し、船体抵抗を軽減することでエネルギー効率のよい船を目指した。特殊操船性能:全旋回型推進装置とバウスラスタを装備すると共に、ジョイスティック等の操縦装置により、定点確保やその場回頭、斜め移動等が可能な特殊操船性能を実現した。特に微速時の運動性能が飛躍的に向上し、観測・実験等の機会が増すことでより充実した教育研究が可能となった。電気推進システム:主発電機4基と推進電動機2基による電気推進システムを採用した。これにより、全旋回型推進装置の装備が可能となると共に、船内の振動・騒音及び水中放射雑音の少ない静粛性の高い船となり、居住性が向上した。また音響計測時のノイズや対象生物への影響の少ない実験が可能となった。窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の排出を抑え環境負荷を抑制した。大型パノラマ船橋:全周視界を持った船橋とし、航海船橋としてばかりでなく漁撈・海洋観測等の作業の指揮を可能とする実習管制船橋としての機能を持たせた。多数の実習生等の円滑な活動を確保するために、船橋を十分な広さを持ったものにした。マルチパーパス漁撈システム:底層・中層トロール、まき曳き網、延縄などの多様な漁具漁法をそれらの水中での挙動をモニタしつつ運用できる、マルチパーパス漁撈システムを装備した。これにより次世代の漁撈技術の開発に関する教育研究が可能になった。海洋・資源調査システム:船体動揺中心にCTD等海洋観測機器を装備し、テンション制御型ウィンチと嵌脱装置付きクレーン等の採用及び特殊操船能力と合わせて、船体動揺の影響を極少化し安全で効率的な海洋調査を可能とした。動く教育研究プラットフォーム:CTD格納庫、ドライラボ、ウェットラボ及び十分な広さを確保した右舷全通作業甲板を、動線を重視しつつ統合的に配置した。これにより効率的で安全な実習教育環境が確保できた。航走中の連続観測が可能な生物採集システムを採用し、航走時がすなわち観測という動く教育研究プラットフォームという新しい性格を持たせた。トレーサビリティ教育:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びトレーサビリティ記録分析システムを装備し、水産動物の採捕時ばかりでなく流通(陸上教育時)まで含めた水産物の品質管理教育を可能にした。高度情報ネットワークシステム:航海、漁撈、生物・海洋調査等で取得したデータを情報ネットワークにより一元管理し、船内で共有すると共に蓄積したデータを継続的な教育に利用できるシステムとした。快適で安全な居住環境:船体外面の流線に沿った幅広のビルジキールを装備することで、減揺効果を向上させた。これによって、基礎洋上訓練をうけていない共同利用大学の学生等の安全を確保すると共に、揺れることが当然という固定観念を打ち破り、陸上にできるだけ近い作業環境を実現している。多様な乗船者への対応:船内案内表示や各種マニュアルの日英両語の使用や女性用衛生設備を充実した。これにより、これまで乗船者が少なかった、外国人や女性等の多様な乗船者に対応できる船とし、男女共同参画社会の推進や国際的な利用に貢献できるようにした。メンテナンスコスト低減設計:堅牢性を持たせ、修理、維持管理経費の低減を図る設備、配管・配線系とした。電気推進を利用したパワーマネジメントや機関部を中心にメンテナンス対応装備を充実することで、長期的に維持費・燃料費を削減できるようにした。機能と特徴

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