ギマラス島重油事故関係 第5弾

【速報第5弾:山本智子准教授(9月21日)

9月13日に行われた国際フォーラム”International forum on coastal environment and utilization of fisheries resources”の前後に、UPV側のメンバーとミーティングを持ち、情報収集及び今後の協力体制について議論しました。一部のメンバーは14日にギマラス島に向かいましたが、ここではミーティングの結果のみ報告します。
対策に関わっているUPV側のメンバーからの説明によると、現在いくつかのグループからなる対策チームが活動しており、うち生物を扱うグループでは、いくつかのハビタット又は分類群についてモニタリングを開始しているとのことでした。すでに流出直後のデータが得られているものもあり、このうちいくつかについては重油汚染以前のデータもあるため、前後で比較することによって、重油の影響を明らかにすることが可能かも知れません。これについては、日本側のメンバーが専門とする生物に関して、情報収集などの協力を行うこととしました。
UPV側からは、現在抱えている課題として、重油の成分であり毒性を持つPAHsが環境中や生物体内にどの程度含まれているかについて分析する必要があるが、必要な設備や分析技術を持つ人材がいない、という点が挙げられました。この点については、この分野を専門とする日本側のメンバーが、分析及び機器の要求に伴う技術的アドヴァイスを行うこととしました。また、いくつかの企業からbioremediationの技術について売り込みがあり、試験も行われたが、室内実験を経ない沿岸域での試験は環境に影響を与えないかとの危惧もUPV側から表明されました。これについても、必要があればbioremediationに関する情報を専門家から提供することとしました。
最後に日本側のメンバーから、モニタリングも重要であるが、今後は研究者の立場からの様々な情報、例えば環境復元の優先順位を決めるための情報など、が必要とされるだろうという意見が出され、そのために必要な情報の収集には日本側も協力することとし、数名の研究者から具体的な参考文献が挙げられました。

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