ギマラス島重油事故関係 第8弾

【速報第8弾:安樂和彦准教授・Ricardo P. Babaran UPV助教授(10月4日)】

9月26日にギマラス島に入り島内でも最も被害の大きいNueva Valencia Townを視察しました。漁村へ入る前に訪問した町役場での話によると、11の漁村が特に大きな被害を受け、住民は避難生活を送っているとのことでした。それらの地域では漂着した油による飲料水汚染やガスが深刻とのことです。沿岸では現在でもスラッジの除去作業が行われており、海岸のあちこちに土嚢袋が山積み状態で放置されていました。しかし、海岸の砂浜を少し掘ると油の塊が露出し、水面に油膜が広がり、スラッジ除去の困難さを痛感しました。
既報の調査報告にあるとおり、漁村住民は清掃作業への参加により300Peso/日の手当てを得て生活しているようです(1家族あたり1名週4日の参加に限られ、人員不足の場合は2人の場合もある)。その他には、ヌードルや缶詰(9缶/週)等が支給されるとのことでした。
調査を行った海域はマングローブ域も含めて8月11日以降完全に漁獲が禁止されているとのことです。操業が停止されたことによる2次的な影響として、近隣の延縄等の漁業者への餌の供給が不足することがあるそうです。一方で、近隣のマングローブエリアを船で視察した際に、パトロール船により警告を与えられている漁業者の様子を目撃しました。油流出の影響がいかなるものであるか把握するとともに、汚染が健康に及ぼすかもしれない影響を住民に正確に周知する手立ての必要性を感じました。

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