活動分野と研究課題

本事業では、当水産学部とUPVを拠点として、以下の2分野で共同研究を実施します。

沿岸資源・生態系分野

重油流出事故の起きた平成18年から継続している、化学分析によるギマラス島南西部沿岸域石油汚染モニタリングを継続し、新たにギマラス島東岸の流出油汚染調査を平成20年から開始します。流出事故後2年後の水産資源や底質の流出油汚染状況が明らかとなり、流出事故以前の分析結果との比較により、流出油汚染からの水産資源の回復状況を明らかにするための研究を実施します。
バイオリメディエーション実施場所の選定のための現地調査行うと共に、汚染域より得たサンプルからの微生物群集DNAの調製法を検討します。また、バイオリメディエーション実施による沿岸生態系への影響をモニターするため、流出油バイオリメディエーション実施前の沿岸生態系調査を実施します。

社会・漁業分野

平成18年度までの拠点大学交流で蓄積した石油流出事故前の資料と比較して、事故直後に地域の水産業と漁村社会が受けた産業経済的・社会的影響の把握に注力します。特に、漁業操業と収入、雇用、生活の変化に着目して調査を行い、次年度以降の長期的なモニタリングに資する基盤を形成するための研究を実施します。
汽水域および沿岸域における汚染の実際と漁業生産への影響についての聞き取り調査を広範に行い、次年度以降の調査のための基礎資料を得ます。
これらの共同研究には、フィリピン大学および鹿児島大学から大学院生、若手研究者を参加させその育成にも取り組みます。

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