ツーリズム事業に関する調査

今年度はSibunag地区のPunta Punting、Nueva valencia地区のPuetra Al Paraizoを対象に聞き取り調査を実施した。

1)Punta Punting
Punta Puntingは2003年頃に開業されたリゾート施設であり、レストラン、コテージなどの観光施設、パンプボートの貸し出しなどが行われている。経営者はIloilo市で働いており、実質的には5名の労働者によってサービス提供が行われている。
繁忙期は3月から5月、閑散期は7月から9月である。繁忙期には1日20名ほどの利用者があり、フィリピン人のみならず韓国人やドイツ人の利用も多い。オイル流出事故直後はキャンセルが相次ぎ、悪影響が1年ほど続いたが、現在では客足はかなり回復しているとのことである。
なお、利用客に提供する魚介類については地元バランガイから購入されており、地元漁業者にとって重要な販路のひとつになっている。


2)Puetra Al Paraizo
Puetra Al Paraizoは2009年に一部開業された施設であり、11月に完全開業される予定である。経営者はニュージーランドで生活するフィリピン人とビジネスパートナー(ニュージーランド人)である。現在、コテージが12棟あり、収容人数は55名である。それぞれのコテージには、給湯施設、テレビ、冷蔵庫、電子ポット、エアコン(大型コテージのみ)が整えられている。このほかに、プール、レストラン、カラオケ施設などがある。顧客対象は、ニュージーランド、オーストラリア、EU、日本とされている。
魚介類の仕入方法は、地元のバランガイから購入、他地区のバランガイから購入、行商に来る漁業者から購入の3通りである。予約時に料理の好みを聞き、それに応じた仕入れが行われている、開業当初、地元で安価に調達可能であったが、観光施設の経営者であることを知ると、次第にその価格が上がっていったとのことである。また、地元バランガイの漁業者が週3日から4日ほど行商に来るため、それらも利用されている。11月の完全開業にともなって利用者数も増加することが予想され、地元漁業者にとっては重要な販路のひとつになる可能性もある。

Page Top