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かごしま丸が放送大学と志學館大学の学生を対象とした共同利用乗船実習を実施しました

表層と水深220mの海水の温度差を体感

平成30年5月26日から5月27日の2日間、本学部附属練習船かごしま丸は、教育関係共同利用拠点認定事業の一環として、放送大学と志學館大学の学生を対象とした乗船実習を実施しました。
放送大学からは、鹿児島学習センターの住吉文夫所長と職員1人に引率された「鹿児島湾洋上実習」受講の19人が、志學館大学からは近藤諭教授に引率された「フィールドで学ぶ環境科学」受講の法学部1年生1人および人間関係学部3年生5人と1年生1人が参加し、内山正樹船長以下のかごしま丸乗組員と学部から参加した山中有一准教授の指導を受けました。「鹿児島湾洋上実習」は、かごしま丸を利用した洋上実習を主体とする現場学習型の科目で、放送大学鹿児島学習センターの全国開放型の面接授業として平成25年度に新設開講されたものです。6年目となる今年は、鹿児島県内はもとより、九州、中国、近畿、中部、関東地方から30代~70代までの幅広い年齢層の学生が参加しました。また、「フィールドで学ぶ環境科学」は、本学の教育関係共同利用施設であるかごしま丸または農学部附属高隅演習林での実習と志學館大学での講義を通じて、環境問題に関する基礎的知識を学習する科目で、平成28年度に同大学の教養科目として新設開講されたものです。
初日は、谷山港停泊中のかごしま丸船内で、東隆文首席一等航海士から乗船実習ガイダンスを受けた後、船内見学と救命艇等操練(退船訓練)を行った後、山中准教授と三橋廷央次席二等航海士から「海洋観測とは」、「海洋環境保全と持続可能な漁業」についての講義を受けました。晴天に恵まれた2日目は、午前8時30分に谷山港を出港して水深200m超の鹿児島湾最深部の水域まで航行し、CTDと多筒採水器による海洋観測、スミス・マッキンタイアー採泥器による底質・ベントスの採集と観察、北太平洋標準ネットによるプランクトンの採集と実体顕微鏡による観察の実習を行うとともに、乗組員と航海技術乗船実習Ⅰ受講の本学部4年生の指導でロープワークの実習を行いました。また、航行中は、2班に分かれて操舵体験と船内見学を行いました。かごしま丸は予定したすべての実習を完了した後、実習海域を離れ、予定通りに15時過ぎに谷山港に入港しました。この間に参加学生はレポートによる最終試験を受けました。
両大学の受講生にとって大型練習船での洋上実習は初めての体験でしたが、平穏な海況のもとで予定したすべての実習を無事故で実施できたこともあり、参加した両大学の教員と学生は大いに満足したようでした。放送大学の学生からは、「船上での海洋観測や生物採集・観察の体験を通して、海と生物に対する興味がさらに深まった。」、「小さなネットを水深50mから曳くだけで大量のプランクトンが採集され、海中のプランクトン量の膨大さに驚いた。」といった感想が聞かれました。また、志學館大学の近藤教授は、「練習船を使うことで可能になる海洋観測等の洋上実習は文系大学では学べない内容であり、教員にも学生にも大変良い刺激になった。次年度以降も、共同利用制度を使ってかごしま丸を使った洋上実習の継続実施を予定しており、今回の経験を活かして学生に還元していきたい。」と語っていました。
なお、参加した放送大学の学生には、実習レポートに基づいて同大学の「鹿児島湾洋上実習」の単位が、志學館大学の学生には陸上での指導と合わせて同大学の「フィールドで学ぶ環境科学」の単位が、それぞれ付与される予定です。

乗船実習ガイダンス
実体顕微鏡によるプランクトンの観察
CTDと多筒採水器による海洋観測

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