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2017年04月07日

研究

春の群体珪藻大発生


小針統

鹿児島大学水産学部には附属練習船が2隻あり、1つはかごしま丸、もう1つは南星丸です。今回、熊本県立大学と共同研究プロジェクトの一環で、薩南海域にて海洋観測、生物サンプル採取、培養実験を行ってきました。

春になると、薩南海域では植物プランクトンである群体珪藻の一種が大発生します。かなり大規模で、人工衛星画像でも確認できるほどの大発生なのです。私たちは、この群体珪藻がなぜ限られた時期・場所で大発生するのか、そしてこの群体珪藻は黒潮生態系にどのように役に立っているのかを解明しようとしています。以前、黒潮パラドックスについて解説しましたが、この群体珪藻は黒潮パラドックスを解明する1つの要素と考えています。

今回は、珍しいことも起こりました。例えば、ネット採集では大量の櫛クラゲが採れました。刺胞動物に属するクラゲは大量に採取されることもあるのですが、これほどの櫛クラゲは私も初めてです。

また、ネット曳網中にはイルカの大群が南星丸の前を通過して行きました。以前はイルカの大群によく遭遇していたのですが、随分とご無沙汰でした。

やっぱり海は面白い!私たちの身近にあるけど、なかなか近づけない秘境です。